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「つながり」「かくれる」で「いのち」守る

2025.02.27

NPO法人「ライフリンク」清水康之代表にインタビュー
3月は「自殺対策強化月間」

あさってからの3月は、自殺対策基本法に基づく「自殺対策強化月間」です。自殺者の総数が減り続ける中、若者や子どもの自殺はなかなか減っていません。そこで、若者や子どもの心の健康を守るポイントなどについて、NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」の清水康之代表に聞くとともに、公明党の取り組みも紹介します。

NPO法人「ライフリンク」清水康之代表

――2024年の自殺者数が過去2番目に少なかった一方で、小中学・高校生をはじめ19歳以下の若年層の自殺が後を絶ちません。

清水康之代表 24年の自殺者数のデータから読み取れることは、ほとんどの年代・属性において自殺者が減少した半面、「女子中学生と女子高校生」の自殺が大幅に増加している点が挙げられます。特に、「定時制・通信制」に通っている女子高校生は2年間で約72%(34人)増となっています。子ども全体に対する対策も当然重要ですが、喫緊の課題として、「女子中学生」と「定時制・通信制」に通っている女子高校生への支援を強化する必要があると思います。

――その世代の自殺増の要因は。

清水 はっきりしたことは分かっていません。ただ、多くの場合、自殺の要因は複合的です。家庭や学校を通じて人間関係の悩みを抱える中で、心の健康が悪化し、自殺に至っているといったケースは十分に考えられます。自殺に関連する他の統計として、①不登校の小中学生②うつ病などの精神疾患で休職した教員③SNSに起因する重大犯罪の被害児童数④学校で認知されたいじめ件数――などが、過去最多を更新しています。

――若年層を孤立させない“つながる”取り組みが大切だと思いますが。

清水 そうですね。電話やSNSを活用した相談窓口のさらなる拡充が必要です。また、SNSには、人とつながりやすくなったというプラスの面だけでなく、一度つながった人と関係性を断ち切りにくくなったというマイナスの面もあり、そのことが子どもたちの生きづらさを助長している可能性もあるように感じます。

気持ち落ち着かせる場所へ 「現代版の駆け込み寺」な存在に

――“生きづらさ”を感じている子どもや若者へのサポートが重要ですね。

清水 私たちは昨年3月、インターネット上の仮想空間「かくれてしまえばいいのです」を開設。生きづらさを感じる子どもらにとっての“居場所”として話題になり、1月時点の累計アクセス数は1600万回を超え、毎日3~5万回のアクセスが続いています。石破茂首相をはじめ、超党派の議員連盟「自殺対策を推進する議員の会」の国会議員の方にも、ライフリンクへ視察に来てもらいました。

――「かくれてしまえばいいのです」はどのようなサイトですか?

清水 「死にたい」気持ちを抱えている人が安心して過ごせる「現代版の駆け込み寺」のような存在になれたらと考えています。アバター(分身)を動かして、「入り口」から「大樹」の中に入ると、「しにたいきもちとむきあう」「しにたいきもちをやりすごす」という二つのエリアがあります。その中には、死にたい気持ちを抱えながら生きている人たちの体験談に触れることができたり、つらい気持ちをAIロボに話すことができる空間など、全部で九つの部屋が用意されています。匿名で、24時間いつでも、無料で利用できる、とても安全な空間です。

――政治に求める役割は。

清水 今国会で、自殺対策基本法を改正する動きがあります。その柱は、自殺のリスクを抱える子どもを支える学校や自治体、医療機関などが、情報を共有し支援するための仕組みづくりです。自殺対策に熱心に取り組む公明党にはぜひ、地方議会も含めてリードしてほしいと思います。期待しています。

公明、予防策に尽力

ネット上の仮想空間「かくれてしまえばいいのです」の取り組みを視察する谷合氏(左端)=1月31日 都内

これにより、予防対策が進み、年間の自殺者数は3万人台から2万人台へと減少しています。法改正では、学校現場での「SOSの出し方に関する教育」が努力義務と位置付けられました。

公明党は今後、相談体制の強化に向けて、専門人材の確保などに取り組む方針です。

しみず・やすゆき 1972年東京都生まれ。NHK勤務を経て、2004年、NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」を設立。

「かくれてしまえばいいのです」へのアクセスはこちらから

(イガイな素顔)
剣道歴40年、教士七段
かわの義博党青年副委員長(参院議員)

小学2年生から剣道を始め、今では教士七段を有し、全日本剣道連盟の顧問を務めています。「剣道は剣の理法の修錬による人間形成の道である」。これは剣道の理念です。肉体と精神、両方を鍛錬するスポーツであり、武道です。剣道で培ったチカラを政治の場でも発揮できるよう、精進していきます。

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