高橋みつお党学生局長にインタビュー
(実践編)仕事を続けながら、通信教育で大学卒業
――リスキリングに挑戦しようと思ったきっかけは何ですか。
高橋みつお学生局長 外交官として働いていた当時、通勤電車内で「人生を変える8万円」という中づり広告を目にしました。それは、中央大学法学部の通信教育課程(基本授業料・年間8万円)を宣伝する内容でした。国内外で約15年間、勤務する中で、国内法をきちんと学びたいという漠然とした希望があり、「よし、挑戦してみよう」と一念発起。2015年春に大学の門をたたきました。
――働きながら学ぶのは、大変な苦労があったと思います。
高橋 入学した翌年春、在ブラジル日本大使館へ赴任となり、“地球の裏側”から通信教育を受けることになりました。レポート郵送だけでも、往復1カ月以上を要しました。書き直しがあり、再提出しなければならないときは最悪です(笑い)。また、勤務中はキャンパスでのスクーリングにも参加できず、休暇で帰国している間はずっとスクーリングに通っていたときもありました。
――国会議員になってからも、勉強を続けたそうですね。
高橋 初当選からしばらくして、コロナ禍で外出自粛といった行動制限があり、自宅で学ぶ時間をやりくりすることができました。こうした紆余曲折を経つつも履修を続けた結果、21年3月に中央大学法学部を卒業。無事に卒業証書を頂くことができました。
――ずばり、忙しい中でも勉強を続けるコツは。
高橋 まずは、集中できる時間と場所を決めましょう。私は始業前、朝の1時間をカフェや職場で勉強する時間に充てました。後は無理のない計画を立てることも大切ですね。仕事をしながら勉強すること自体、大変なことです。1日のライフサイクルの中で、仕事以外で育児や家事がある方もいますし、勉強時間をどうやって捻出するかは人それぞれです。無理なく、自分に合った勉強法を探るのが重要だと思います。
――モチベーションを維持するためには、どうすれば良いですか。
高橋 「学び」はいつでも始められます。苦しかったら一度、立ち止まって、再挑戦してみるのも大切です。人生は長いです。リスキリングは、いつでも再挑戦できます。皆さんも、ポジティブにチャレンジしてほしいと思います。
(活用編)論理的な思考力養い議員の活動に生かす
――リスキリングの経験は、国会議員の仕事にどう生かされていますか。
高橋 専門的な知識はもちろんですが、リスキリングで培った「論理的な思考力」は、議員活動に最も生かされていると感じます。例えば、大学のレポートを書く際、課題提起や法制度の解釈(学説や判例の検証)、具体事例の当てはめを行い、結論を導きます。この訓練が今、国会質問の考案などにも生かされています。最近では参院質疑で、日本の国際協力の必要性について、物価高などに苦しむ国民の理解が前提との課題を踏まえ、これまでの政府開発援助(ODA)の効果の検証を行った上で、わが国として国民理解の下で「国内施策」と、平和主義、自由主義に基づく「国際貢献」の両立を行うべきだと石破茂首相に訴えました。トランプ関税をはじめ世界が米国の保護主義で岐路に立つ中、その必要性は一層高まっていると確信します。
――参院選勝利へ意気込みを。
高橋 私の地元・兵庫県では、20代の転出超過が深刻化しています。若者に選ばれる兵庫県をめざし、企業誘致や起業支援、地方就職を後押しします。また、誰もが働きやすい社会に向けて、リスキリング支援をはじめ、育児休業明けでも仕事が継続できる施策の充実を推進してまいります。