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現役世代が直面する 介護格差

2025.04.24

経済政策の視点から取り組みを
党「Weconnect」本部の勉強会から 結城康博・淑徳大学教授の講演要旨

党プロジェクト本部の勉強会で、介護問題を巡り講演する結城教授(右端)=9日 党本部

公明党「We connectプロジェクト」本部(本部長=西田実仁幹事長)は9日、東京都新宿区の党本部で政策勉強会を開き、淑徳大学の結城康博教授を招いて、「介護格差を考える」と題した講演を聴きました。その後、参加者との質疑応答も実施。結城教授の発言要旨を紹介します。

今後、人材不足が深刻化。離職やダブルケアなども

日本の要介護・要支援認定者数は昨年10月時点で約721万人。65歳以上に占める割合は約2割に上ります。統計的には、要介護認定率は年齢が上がるにつれて上昇し、85歳以上で約半数となります。団塊の世代(1947年から49年生まれ)全員が75歳以上になる今年以降、要介護者数は急増する恐れがあります。一方、全国の介護職員数は減少に転じています。

また今後、現役世代に占める割合が大きい「団塊ジュニア世代(1971年から74年に生まれた世代)」が、親の介護などに突入していきます。とりわけ今年は、「介護崩壊の始まりの年(介護崩壊元年)」となるかもしれません。

こうした状況が続くと、介護ケアを受けられない「介護難民」が増える恐れもあります。実際に、人材不足にあえぐ訪問介護事業所の中には、ヘルパーを十分に確保できず、新規の要介護者を受けられない事態も生じています。

住み慣れた地域で医療や介護などのサービスが受けられる「地域包括ケアシステム」の構築を進めるためには、人材確保や経営基盤の強化などが不可欠です。そこで、医療・介護を地域経済の基幹産業と位置付け、経済政策の視点で取り組みを進めるべきです。

一方で、現役世代が働きながら家族らの介護を行う「ビジネスケアラー」が増加することも予想されます。また、子育てと親の介護を同時に担う「ダブルケア」も深刻です。「晩婚化」「晩産化」傾向によって、18~22歳といった大学生の子を持つ親世代が、50歳を超えることも珍しくなくなりました。親世代が75歳を超えてくると、介護のリスクが間近に迫ってきます。

介護は、孫の世代にも影響します。たとえ、親が「介護離職」に陥らなくても、介護費用が増えることで孫世代である大学生は、その親からの支援金が減額されることとなり、自らアルバイトをする時間を増やさなければならないケースも多くなります。それに、返済義務のある奨学金を利用している学生が多い実態も考慮しなければなりません。

対策
大幅な賃上げが急務。公明党の働きに期待

介護職員の不足を解決する手段について考えていきたいと思います。

一つは、介護職員の賃上げもしくは人員増(負担軽減)です。特に、若い人たちを他の産業から介護現場に呼び込むには、大幅な賃上げが必要です。そのための財源が課題ですが、現役世代の社会保険料の負担などが大きい実態なども踏まえ、富裕層の高齢者にもう少し税負担してもらうのも一案かもしれません。

このほか、外国人の介護職員や高齢者ヘルパー、公務員ヘルパー、介護ロボットの活用などが考えられます。ただ、いずれも即効性のある対策ではないため、「介護職員の賃金を上げるのは、地域経済を活性化させる投資」だと思っていただき、大胆な政策を打ち出してほしいと思います。

介護は、現役世代が今後直面する課題です。子育て支援などと比べて、政策の優先度が低く思われがちですが、多くの現役世代がその影響を受けますし、一人一人が「介護は危機的状況にある」という意識を高めることが重要です。ぜひ、親や子、孫世代の未来を考える機会を増やしてほしいと思います。公明党の取り組みに期待しています。

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