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世界に誇れる、「街も」 「心も」 バリアフリー社会に

2020 . 09 . 25
党青年委員会 副委員長 中野洋昌(衆議院議員)
▼公明党が連立政権に入って20年。国内のバリアフリーは法整備とともに飛躍的に進んだ
▼国会議員と地方議員のネットワークを推進力に、ホームドア設置などの巨額な費用の捻出
▼国交大臣の決断で新幹線のバリアフリー化が大きく前進。車いす利用者の乗車スペースが倍増

1、公明党が推し進めたバリアフリー 20年間の成果

 

「バリアフリー」という言葉が

当たり前のように使われています。

 

「バリアフリー(barrier free)」とは、

「バリア(障壁)」を「フリー(のぞく)」

という意味。

つまり、障壁を取り除くことで

暮らしやすくしようという考え方です。

 

本来は建築用語として、

道路や建物内の通路の段差などを

取り除く意味でしたが、最近では、

社会的、制度的、心理的な意味での「バリア」を

取り除く意味で使われるようになっています。

 

このバリアフリーを進めていくことは、今でこそ

政治の重要テーマの一つとなっていますが、

かつては、民間事業者の仕事とされ、

行政の取り組みは非常に消極的でした。

 

公明党は、生活者目線に立って、こうした

現状を変えていこうと長年取り組んできました。

 

原点とも言える出来事になったのが47年前。

1973年2月、東京・高田馬場駅の

ホームから視覚障がい者が転落し、

電車にはねられて亡くなるという

痛ましい事故までさかのぼります。

 

翌月の衆院予算委員会で、公明党の大久保直彦

衆議院議員(当時)がこの事故を取り上げ、

「点字ブロックをホームに」

と訴えました。

 

まだ、どの駅にも

点字ブロックがなかった時代でした。

この質問が契機となり、

全国の駅に点字ブロックが普及していったのです。

 

しかし、まだ、バリアフリーは

民間事業者の仕事だという“障壁”

を打ち破ることは困難でした。

 

当時の資料を見てみると、例えば、

政府が1996年に行った障がい者に対する

調査では、外出時に困る事として、

「交通機関の利用が不便」が30.3%、

「階段、トイレ、エレベーターなどの

利用建物の設備の不備」が28%、

「道路や駅が利用しにくい」が18.8%など。

いずれも環境整備が遅れていました。

 

そこで、公明党は、1994年の党大会重点政策で

「不自由さを感じずに暮らせる

バリアフリー型まちづくり」

を掲げ、全国各地で地方議員や党員を中心として、

実際に車いすやアイマスクなどを使って

総点検運動を実施。

バリア(障壁)のない、

福祉のまちづくりを訴えました。

 

大きな転機となったのが99年。

公明党が連立与党になったことで、

バリアフリー政策のアクセルが踏まれました。

 

公明党が次々と提案したことで、

バリアフリー化への機運は一気に高まります。

 

同年、建設省が歩道のバリアフリー化の

構造基準を決めるとともに、

第二次補正予算において歩道、

公共交通機関、公営住宅などの

バリアフリー化対策が予算化されました。

 

そして、2000年には交通事業者に

バリアフリー化を義務付ける

交通バリアフリー法が成立、06年には、

建物を対象としたハートビル法と統合され、

新バリアフリー法が成立しました。

 

こうした動きを受け、

交通機関や建築物のみならず、地域全体の

面的なバリアフリー化が一気に進展したのです。

 

交通バリアフリー法の施行から20年。

国土交通省が昨年12月に発表した18年度末の

バリアフリー化の進捗状況によれば、

駅や空港、バスターミナルなどの旅客施設

(1日当たりの平均的な利用者数が

5000人以上)においては、

エレベーターやエスカレーターなどの整備が進み、

段差解消

95.6%(2001年では33.3%)、

点字ブロックの設置

98.2%(同64.3%)、

障がい者用トイレの整備

92.7%(同2.7%)

と、バリアフリー化を

大きく進めることができたのです。

 

★★バリアフリー化の推移

 

2、地方議員の奮闘、国と地方のネットワーク

 

バリアフリーを進めるうえで、

忘れてはいけない視点があります。

それは財源の問題です。

ここでは、駅ホームからの転落を防ぐ

「ホームドア」の設置を例に

取り上げてみたいと思います。

 

さきほど述べた通り、公明党の推進により、

点字ブロックの設置を進めてきたわけですが、

視覚障がい者のうち約4割の方が、

駅のホームから転落した事がある

というアンケート結果があります。

 

こうした中、今年1月、JR日暮里駅で

視覚障がいの方が線路に転落して亡くなるという

痛ましい事故が再び発生。

 

また、7月には、JR阿佐ケ谷駅でも、

同様の事故が起きたことから、7月30日、

公明党国土交通部会長である岡本三成

衆議院議員らが緊急調査を行いました。

 

岡本 視察写真JR阿佐ケ谷駅を調査する岡本氏(中央)ら=7月30日 東京・杉並区

 

こうした悲劇を繰り返さないためにも、

ホームドアの設置を進めていくことが重要です。

 

公明党は、いち早くホームドアの重要性を訴え、

06年施行の新バリアフリー法には、

鉄道駅の新駅の設置や大規模改良を行う際、

一定の条件でホームドアの設置が

義務付けられるようになりました。

 

しかし、このホームドアの設置は、

鉄道事業者が主体となり、国・都道府県・

市区町村が予算を出し合って推進する事業。

その上、駅の構造によっては、

ホーム全体の補強工事が必要になる。

 

それらをすべて整備すると、

1駅当たり数億円から十数億円に上ります。

 

さらに、複数の路線が乗り入れる場合は

列車ごとにドア数が違う事があるなど、

思うように設置が進まない現状がありました。

 

これを一つ一つ乗り越えてきたのが、

公明党の国と地方のネットワーク。

 

例えば、京浜東北線の鶴見駅では、

2014年に盲学校に通う一人の少女が、

駆け込み乗車をする人にぶつかり

何度も転倒しそうになった、

不安でいっぱいである

尾崎議員(横浜市議)に訴えました。

 

鶴見駅の1日当たり乗降客数は約16万人。

 

安全対策は待ったなしと、尾崎議員は早速、

ホームドアの設置を横浜市に求めますが、

なかなか設置が進まない状況でした。

 

そこで、神奈川県選出の衆参の国会議員や、

石井国交大臣(当時)とも連携し、ついに

2018年、神奈川県内のJR東日本の駅では、

はじめてホームドアの設置工事が完了したのです。

 

こうした取り組みが実を結び、現在、

ホームドアは全国855駅

(2020年3月末現在)に設置され、

10年間で倍増することになりました。

転落事故を断じて起こさないとの決意のもと、

積極的に整備を進めていきたいと思います。

 

★ホームドア設置駅数の推移

 

建物のバリアフリー化も喫緊の課題の一つ。

公営住宅へのエレベーターの設置などが

全国的に進む中で、「老朽化が進む民間の

マンションにもエレベーターを設置してほしい」

という声に応えたのも、公明党の地方議員でした。

 

一例をご紹介します。

東京都東村山市のある5階建てのマンションでは、

居住者の方からエレベーター設置を

望む声が出ていました。

ところが、費用負担の問題から、

一部の居住者の賛同が得られませんでした。

 

しかし、居住者の高齢化が進むにつれ、

「エレベーター設置」を望む声が

日増しに多くなっていったのです。

 

そこで16年にマンション管理組合が

相談したのが、公明党の市議。

居住者負担の軽減が大きな課題であることから、

国の「優良建築物等整備事業」を

活用するというアイデアを提案します。

 

これは、国が3分の1、東京都と東村山市が

3分の1を補助する制度であり、

国・都・市の連携が必要不可欠となります。

 

17年のマンション管理組合の臨時総会では、

こうした制度の活用により、居住者負担が軽く

なる事から、多くの居住者の方々の理解を得る事

ができ、マンション改修の議案は可決されました。

 

その後、公明党の都議会議員とも連携。都から

「国の制度を活用しつつ、都の補助を開始し、

区市町村と連携した支援を拡充する」との

答弁を得て、18年に補助金の交付が決定。

本制度を活用した民間マンションのエレベーターの

設置としては、全国初の事例となりました。

 

私の地元である尼崎市でも、公明党が

バリアフリーの実現に取り組んできました。

2000年の交通バリアフリー法の施行後の

エレベーター設置第1号は、JR立花駅。

約5万8千人の署名活動を行い、

国に申し入れた結果でした。

 

以来、市内に塚口駅など13ある

駅のバリアフリー化を進めてきました。

 

★中野写真 IMG_2777

JR塚口駅西口にエレベーターが設置され、喜び合う中野氏(右端)ら=2018年4月 兵庫・尼崎市

 

この13駅の中で、

最後まで残されたのは阪急園田駅。事業者も

改修に前向きでしたが、ハードルとなったのは、

やはり地元市の負担でした。

 

これを動かしていくため、私も2012年の

初当選以来、市議団と粘り強く市に対して

申し入れを重ね、また、地元でも署名活動を展開。

2017年、工事の実施がついに決定し、

2020年3月に完成しました。

 

繰り返しになりますが、バリアフリーは、

様々な関係者、そして国、地方自治体が力を

合わせないと進まない政策ですが、

公明党は一人一人のお声に誠実に応え、国と地方の

ネットワークで着実に結果を出していきます。

 

 

3、他者の気持ちに思いを寄せる 「心のバリアフリー」

 

2020年の通常国会において、

改正バリアフリー法が成立。

改正法では、赤羽一嘉国土交通大臣(公明党)の

強いリーダーシップのもと、

設備のハード面だけでなく、スロープ板の操作、

視覚障がい者が見やすい明るさといった

サービスのソフト面の取り組みを進めるとともに、

自治体の基本計画に「心のバリアフリー」

関する事項が盛り込まれました。

 

「心のバリアフリー」とは、

単に物理的な障壁・制約を取り除くだけではなく、

障がい者や高齢者、さらには小さなお子さんを

連れた家族まで、自分とは異なる条件を持つ

多様な他者の気持ちに思いを寄せること。

 

そして、全ての人が抱える困難や痛みを想像し、

共感する力を培い、支えあう社会づくりを

めざすものです。

 

公明党として、国と地方の議員ネットワークの力を

最大限に発揮して、社会の隅々にまで

推進していきたいと思います。

 

 

4、国交大臣の決断で「新幹線のバリアフリー化」が前進

 

赤羽大臣は、新幹線の車いす利用の改善に向けても、

リーダーシップを発揮しています。

現在、新幹線の車いす用のスペースは、

多くても1列車2か所、利用者は2日前までに

事前予約しなければいけません。

 

こうした事前予約の現状に対し、

赤羽大臣は昨年12月3日、参院国交委員会で、

「JR各社は、バリアフリー社会を進める

政府の強い意思をしっかり受け止めてほしい」

と改善を要請。

 

同月23日には国交省内に

「新幹線のバリアフリー対策検討会」の初会合が

開かれ、ソフト・ハードの両面において

制度改善の検討が進められる事になりました。

この検討会では、障がい者の方も構成員となり、

当事者の意見が反映される事となりました。

 

さらに、今年1月16日には、

赤羽大臣自ら、東海道新幹線の新型車両を

車いす利用者と共に視察。

大臣自ら車いすに乗って、

新幹線の車いす用のスペース

の現状をつぶさに見て回りました。

 

そして、国交省は3月3日、

新幹線の新たなバリアフリー対策を発表。

車いす用のスペースを拡充するほか、

利用当日のインターネット予約を

可能にする方針が明確になったのです。

 

コロナ禍にあっても、

この議論は赤羽大臣のもとで進められています。

 

赤羽大臣は8月3日、車いすスペースを広げた

東海道新幹線の試験車両を視察

実際の車両を見て回った後、赤羽大臣は、

東海道新幹線の車いすスペースとして

1編成当たり6席分を確保する方向で

検討すると明言したのです。

 

図1車いす用フリースペースの実証実験を視察する赤羽国交相(左端)ら=8月3日 都内

 

国交省の有識者検討会では、「原則4席」の

方向で議論が進んでいただけに、この「6席」

発言は、多くのマスコミで報じられました。

 

そして、8月28日、

国交省の有識者検討会がとりまとめた

「新幹線の新たなバリアフリー対策」では、

誰もが当たり前に、快適に移動や旅を

楽しむことができる、世界最高水準の

バリアフリー環境を有する高速鉄道の

早期実現をめざすことが明記。

 

赤羽大臣の明言通り、新幹線1編成当たり

最大6席分の車いすスペースの確保や、

ウェブ上で車いすスペースの予約・購入が

完結するシステムの導入が盛り込まれたのです。

 

車いす用のスペースに関する要件についても、

少なくとも2人以上の方が車いすに乗ったまま、

窓際で車窓を楽しめることや、

車いす用スペースの通路幅は、乗客や車内販売の

ワゴンの通行に支障のないように確保すること、

車いす利用者のスペースに隣接して介助者、

同伴者の席を設けることなど、

具体的に示されています。

 

今後は、この検討会のとりまとめをもとに、

バリアフリー基準が改正され、

実用化が進められていくことになります。

 

このように、年々、

バリアフリー化の流れは充実しています。

このことは、車いすを利用される方だけに

メリットがあるわけではありません。

 

例えば、通勤電車の車内では、

ベビーカーで乗り入れる子連れの方が優先して

利用されるスペースも増えてきています。

駅構内の乗り換えや、移動しやすいようにと、

バリアフリー改修工事も各地で進められています。

 

障がいを持った方が、希望すれば、

あらゆる分野で活躍できる社会へ、

そして、年齢を重ねても、暮らしやすい社会へ。

 

そして、日ごろ、「バリア」を感じていない

人でも、病気やけがをした時、妊娠中の時、

乳幼児を連れている時に共に助け、

支えあえる社会へ。

 

全ての人が支えあえる社会をめざし、

公明党はバリアフリーをさらに進めていきます。