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「就職氷河期世代」支援の重要性

2020 . 03 . 01
▼バブル崩壊直後に就職時期を迎えた「就職氷河期世代」。フリーターや非正規が相次ぐ
▼公明党は従来から支援。ジョブカフェ設置などで氷河期世代のフリーターが36万人減少
▼政府は昨年、公明党の提言を受けた支援策を決定。実効性を高めるべく全力で取り組む

 

1、バブル崩壊後に押し寄せた“氷河期” フリーター、非正規相次ぐ

 

最近、就職氷河期世代への支援の重要性がマスコミなどで徐々に取り上げられるようになってきました。

昨年は、兵庫県宝塚市が就職氷河期世代を対象に、職務経験を問わず、正規の事務職員を募集。採用枠3に対し全国から1816人が応募し、1次試験には1635人が受験。最終的に4人を採用したことが大きなニュースになりました。

 

この世代は、バブル経済が崩壊し、厳しい雇用環境のもと、1993(平成5)年ごろから2004(平成16)年ごろに就職のタイミングを迎えました。現在、30歳半ばから40歳半ばを迎えており、約1700万人と、国内人口の1割超に上ります。

当時の雇用環境がいかに厳しかったか。

一つの指標が、大卒の求人倍率です。1991年は2.86倍と高い水準でしたが、そこからどんどん下がり、21世紀を目前に控えた2000年には、0.99倍まで急落。企業の採用が軒並み絞られ、新卒であっても正社員になれず、無職や、フリーターといった非正規の仕事につく人が続出しました。

 

未就職卒業者数の推移 (1)

 

ちなみに、私も就職氷河期世代(昭和50年生まれ、平成9年大卒)にあたります。

私自身は、大学卒業後、司法試験に挑戦するため就活はしませんでしたが、同世代の友人の多くから、50社、60社と受けても内定をもらえない苦労や、言葉にできない不安、個人では抗えない事態への苛立ちといった感情を直接聞いてきました。

 

 

2、政治の責任で 若者の就職・自立支援を

 

こうした実態は、その方の人生を大きく左右します。

公明党にも深刻な声が数多く寄せられ、党として雇用環境を改善するべく、さまざまな支援策を実現してきました。

 

例えば、2004年度から始まった「ジョブカフェ」の設置。

「適職診断」からキャリアアドバイザーによる就職相談、求人紹介、面接の受け方まで多様な就職支援サービスがワンストップ(1カ所)で、しかも無料で受けられる施設です。

党青年局を中心に、署名活動を積極的に行うなど国会と地方議会の公明議員が力を合わせて設置に取り組み、今では全国109カ所まで拡大。就職者数も累計150万人(2019年4月1日現在)を超えています。

 

サポステの実績_半数以上が進路決定 (1)

 

また、2006年に創設された、働くことに困難を感じている若者に寄り添いながら支援する「地域若者サポートステーション」(通称「サポステ」)の設置も進めました。

ひきこもりやニートなど、働いていない若者を対象に、相談・面談や就労体験、面接指導など自立に向けた総合的な支援を行います。

開設数は現在、全国177カ所に拡大。着実に成果を挙げており、2018年度にサポステに登録し、支援を受けた人のうち、約1万人が就職や公的職業訓練へ。比率で言うと、利用者のうち6割超の進路が固まったことになります。

 

このほか、2009年には、失業給付等の雇用保険を受けられない人に原則無料の職業訓練を実施し、収入が一定以下の場合は訓練中の生活費として月額10万円を支給する制度を創設。

2013年には全国28万人超への調査を基に党青年委員会が、安倍首相にブラック企業対策を強く要請。その結果、同年に若者の使い捨てが疑われる事業所への立ち入り調査が実施されました。

 

日本の将来を担う若者が、希望をもてる未来をひらくことこそ、政治の責任です。こうした取り組みの結果、現在35~44歳のフリーターの人数は、10年前(当時25~34歳)と比べて、約36万人減少するなど、一定の成果を上げることもできました。

 

 

3、正社員を希望しても・・・非正規50万人、無業者40万人の事実

 

しかし、支援は、まだ道半ばです。

就職氷河期世代の方で、アルバイトなどの非正規社員は371万人。うち、正社員になりたいのに、非正規雇用で働いている人が少なくとも50万人いると指摘されています。

職業能力を磨く機会を十分に得られないまま、今も不安定な働き方から抜け出せていないことが大きな要因と言われています。

 

また、仕事をしていない無業者も約40万人に上ると言われています。就職でのつまずきが、その原因の一つと指摘されています。

 

40代に入ると、一般的に、若者支援という枠組みから外れることが多いのも事実で、氷河期世代の方々から「収入が低く結婚に踏み出せない」「老後の生活に不安を感じる」という声も頂戴しています。

 

私自身、約20年もの間、厳しい現実に直面してきた就職氷河期世代の方々が、次の10年、20年先を見据えて、自らが希望する将来の選択肢がより広がるような社会にしていくべきだと思います。

 

公明党は、党内に「氷河期世代」支援検討委員会を設置。

2019年5月に政府に提言を行い、就職氷河期世代の支援強化を訴えてきました。

昨年11月末には、この世代に対し、数年度で集中的に支援に取り組めるよう、財源の基金化の検討を含めた財政上の措置を政府に求めました。

 

就職氷河期世代の皆さんの中には「いまさら『支援』と言われても…」「これまで政治は何もやってくれなかった」「自分にはもはや関係ないこと。良くはならない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

一つ一つのご意見を真摯にお伺いしながら、一人でも多くの方に寄り添い、希望する人生が歩めるよう、お力になれるよう努めていく。

これが、今、政治に携わる者の責任だと痛感しています。

 

 

4、公明の提言受け 政府が過去最大級の支援策

 

昨年5月の提言で公明党が強調したことは、就職氷河期世代の方々の悩みを、単なる就職問題の延長と捉えないこと。

「対策にいくらお金をかけた」「何人採用したか」といった数値上の成果だけを追い求めるのではなく、長期間苦しんできた一人一人の状況に合わせ、より丁寧な支援を徹底的に行うことを重視しました。

 

この提言を受けた政府は、2019年12月23日に「就職氷河期世代支援に関する行動計画2019」を発表。就職氷河期世代支援のため集中的な支援に取り組むため、今後3年間で650億円の財源を確保することを決めました。

大きな柱は、就職氷河期世代お一人お一人を対象に、千差万別になるであろう相談から就職、職場定着まで、切れ目なく支援していく体制を確立することです。

 

具体的には、ハローワークに氷河期世代の専門窓口を設け、キャリアコンサルティングや生活設計の相談、職業訓練など、それぞれの専門担当者がチームを組んで、安定した就労に向けて、一貫した伴走(=そばについて走る)型の支援に当たります。

さらに、業界団体に正社員への就労支援を委託。また、ひきこもり状態など、これまで支援の手がなかなか届かなかった方にも光を当てるため、訪問(アウトリーチ)型の支援を強化します。

 

その上で、実際に取り組むのは市区町村などの自治体で、財源が必要です。

そこで、国は、交通費の支給や奨学金の返済支援などに使える新たな交付金を創設する方針です。

同時に、地域の現場で当事者に支援策の情報が届かなければ意味がありません。SNS(会員制交流サイト)といったデジタルツールを駆使してより幅広い情報提供に努めるべきでしょう。

 

一方で、ハローワークに設置した就職氷河期世代限定の受け付けでは、昨年8月から年末にかけて応募のあった1290人のうち、就職したのはわずか54人と、ミスマッチが生じている現状が指摘されています。

このミスマッチを解消するには、氷河期世代お一人お一人の適性をきちんと見極め、安定した就労に向けた適切なアドバイスができるコーディネート役の育成が重要です。

 

就職を希望する全員が、新しい一歩を着実に踏み出せるよう、支援に取り組んでいく考えです。

 

 

5、政治に“温かみ”を感じていただけるように

 

今後も、与党の一角として、今回の対策が一過性のものにならないよう、全力を挙げていく決意です。

集中的に取り組む3年間を終えた後が、大切です。

 

政党・政治家の中には、就職氷河期世代の方々から現状に対するさまざまな不安、不満を集め、批判に終始してしまう人もいます。しかし、それだけでは、政治家として無責任です。声は聴きっぱなしではいけない。

頂いた声に政策実現をもってお応えする。ここにしか、政治への信頼はないと確信しています。

 

政治家になり、多くの同世代の方の声を聞く中で、ある人が絞り出すように、語っていたことが忘れられません。

「不安定な就労におかれたこと以上に苦しかったのは、自分に自信が持てなくなっていたこと。励まされ、自分のせいだけではなかったと気づいた時、ようやく一歩踏み出すことができました」と。

 

人生に行き詰まりを感じたお一人お一人に寄り添い、どうやって希望を見いだすのか。そのために徹底して行動する集団が、公明党です。

党青年委員会が現在、全国各都道府県で展開している、青年議員が出向いて若者と語らう「ユーストークミーティング」は、まさに、その挑戦にほかなりません。

 

声を基に政策として練り上げ、実現に奔走する中で、就職氷河期世代の皆様に、政治に対する「絶望」ではなく、「温かみ」を少しでも感じていただけるよう、これからも全力を尽くしてまいります。