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気を付けようブラックバイト/残業代の不払い、休憩なし……/厚労省が被害防止キャンペーン/大学で出前講座や相談

2019 . 05 . 09
残業代の不払いや、休憩なしなど過酷な労働を強いる悪質なブラックバイト。厚生労働省は被害の未然防止へ、大学などの新入学生の多くがアルバイトを始める4月から7月までの期間、「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを全国で実施している。取り組みを追った。

「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンは、厚労省と各都道府県労働局、全国の大学や高等専門学校など約3000校が連携し、リーフレットの配布やポスター掲示を通して、学生にアルバイトをする上での注意点を啓発している。

また、都道府県労働局の職員による大学などへの「出張相談」や、各地の労働基準監督署で、学生からの相談にきめ細かく対応している。

キャンペーンの一環で、筑波学院大学(茨城県つくば市)では先月、県労働局による労働法の「出前講座」が開催され、約80人の学生が熱心に受講した。

出前講座では労働局の職員が、休日・休暇の取得や残業時の割増賃金など、バイト先でのトラブル防止に役立つ労働関係の基礎知識を説明。特に、働く期間や仕事内容などの労働条件を事前に確認することが重要だと強調した。

授業を見守った就職支援室の清水慶太係長は、「本学でも『バイトを辞めさせてもらえない』などのトラブルがあった。出前講座で学んだ知識を役立ててほしい」と話した。

ブラックバイトの問題が表面化した2015年、厚労省が大学生ら1000人を対象に実施したアンケート調査によれば、約6割が勤務先で何らかのトラブルに遭っていた。

「一方的に急なシフト変更を命じられた」(14.6%)、「準備や片付けの時間に賃金が支払われなかった」(13.6%)などが上位を占め、「試験期間に休ませてもらえない」との訴えも目立った。

さらに、勤務時間などの労働条件を示した書面を交付していないアルバイト先は、全体の約6割に上った。こうした実態調査を踏まえ、厚労省は15年から毎年、キャンペーンを実施している。

労働条件の確認重要

20190509_10_4厚労省が作成したリーフレットでは、アルバイトを始める前に学生が知っておくべきポイントを紹介している。

まずは、労働条件を示した書面を必ずもらって、仕事の内容を確かめておくことが重要だ。希望すればメールなどで「労働条件通知書」をもらうことも可能。この書面は、授業と重なるような無理なシフトを組まれた際に、声を上げる手段にもなる。

また、バイト代は毎月、決められた日に全額が支払われることが原則。残業代も、労働時間が1日8時間または週40時間を超えた場合、通常の賃金の25%以上の割増賃金が支払われる。

年次有給休暇も、継続勤務6カ月以上などの条件を満たせば取得できる。さらに、仕事中のけがは労災保険を請求できる。

職場の解雇については、少なくとも30日前に予告する必要があり、会社都合で自由にアルバイトを辞めさせることはできない。

厚労省は、アルバイトで困ったときは迷わず相談窓口に連絡するよう呼び掛けている。

20190509_10_5全国の労働局や労働基準監督署にある「総合労働相談コーナー」では、専門相談員が電話または面談で対応。休日や夜間はフリーダイヤル「労働条件相談ほっとライン」で相談を受け付けている。

公明、対策強化に全力

ブラックバイトの被害防止に向けて公明党は、懇談会などで得た学生の声を踏まえ、相談体制の拡充やキャンペーン活動の強化などを政府に求めてきた。

公明の提案を受けて14年9月に開設された労働条件相談ほっとラインには連日、学生らから多くの電話が寄せられており、18年度の相談件数は5万4453件に上った。

また、同省が若者向けに開発した労働法の知識を学べるスマートフォンアプリ「労働条件(RJ)パトロール!」も好評だ。