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被選挙権 18、21、25歳が世界の主流/欧州主要国は低年齢化/独は74年、英仏も数年前に実現/議会下院

2016 . 04 . 27

18歳選挙権の実現を推進した公明党は今、選挙に立候補できる年齢(被選挙権年齢)の引き下げについても党内に検討プロジェクトチーム(PT)を発足させ、議論を進めている。諸外国の現状を紹介するとともに、公明党「被選挙権年齢引き下げ検討PT」の遠山清彦座長(衆院議員)に党内議論の状況を聞いた。

投票できる年齢と一致しない国 7割

現在、日本の国会議員の被選挙権年齢は、衆院25歳以上、参院30歳以上となっている。

日本の被選挙権年齢の推移
国政で上院と下院の2院制を採用している国では、一般的に下院は任期が短く、解散によって民意を問う機能を備えている。日本では衆院が下院になる。

下院

諸外国の下院(1院制の国を含む)の被選挙権年齢を見ると、大きく三つに分かれる。国立国会図書館の調べによれば、被選挙権年齢が判明した194カ国・地域のうち(1)18歳は54カ国(27.8%)(2)21歳は60カ国(30.9%)(3)25歳は57カ国(29.4%)――となっている。

諸外国の被選挙権年齢の状況(下院)また、下院の被選挙権年齢と選挙権年齢の両方が判明した188カ国のうち、128カ国(68.1%)で被選挙権年齢が選挙権年齢より高い。

被選挙権年齢を18歳とする国では、成人年齢や選挙権年齢に合わせるという考え方が多い。

主要国を見ると、例えば旧西ドイツの下院では、1970年に被選挙権年齢を成人年齢とする法改正がなされた。70年当時は21歳だった成人年齢が74年に18歳に引き下げられたことに伴って、被選挙権年齢も18歳に見直された。

フランス国民議会も、2011年の法改正で、選挙権年齢に合わせることになり、23歳から18歳に引き下げられた。

このほか、英国庶民院では06年に21歳から18歳に引き下げている。英国の制度改正は、若くても議員に必要な資質を備えた人はいるという前提に立った上で、立候補者が議員にふさわしいかどうかは選挙で有権者の判断を仰ぐべきという考え方に基づく。

こうした制度改正の結果、英国では15年の総選挙で20歳の下院議員が誕生、12年のフランス下院総選挙では22歳で当選した議員が出ている。

一方、被選挙権年齢を21歳や25歳とする国では、投票ができる年齢と、議員として活動できる年齢に一定の間隔を置くべきだという考え方が一般的だ。

ロシアでは下院である国家会議の被選挙権年齢を21歳としており、旧ソ連崩壊後の1993年選挙から現在まで選挙権年齢(18歳)との差を設けている。

なお、米国は日本と同じく25歳と定めている。憲法制定過程の議論では選挙権年齢(当時は21歳、71年から18歳)とそろえることが想定されていたが、最終的には年齢差を設けることが妥当だと判断した。

上院・地方議会

上院の被選挙権年齢は、下院とは異なり、明確な傾向はない。上院では世襲や任命制が採用されていて選挙が行われていない国もあり、制度が各国で大きく異なる。

被選挙権年齢が判明した70カ国を見ると、日本と同じ30歳が19カ国(27.1%)で最多だが、18歳が12カ国(17.1%)、21、40歳が11カ国(15.7%)と続く。

なお、この70カ国のうち、46カ国(65.7%)で下院よりも上院の被選挙権年齢が高い。上院で選挙権・被選挙権年齢の両方が判明した37カ国のうち、30カ国で被選挙権年齢がより高い年齢になっている。

地方自治体の選挙における被選挙権年齢は、日本では、知事が30歳以上、地方議会や市区町村長が25歳以上と定められている。

ドイツや米国のように州ごとに定めている国もあれば、英国やフランスのように18歳などと一つの年齢を定めている国もある。

若者の政治参加を促す契機に

遠山清彦座長党検討プロジェクトチーム
遠山清彦座長(衆院議員)

――なぜ被選挙権年齢の引き下げを検討するのか。

遠山清彦座長 少子高齢化が進み、人口減少社会に突入した日本では、若い世代が担うべき責任と役割が、どんどん大きくなっています。日本が抱える政治課題は若者の未来と直結しており、彼らの声を適切に政治に反映させることが重要です。

今夏の参院選から選挙権年齢が18歳に引き下げられ、若者が政治に直接参加する機会が広がります。投票できる年齢が下がるのであれば、国民の代表として選挙に立候補できる年齢の引き下げも検討するべきだと考えます。

――PTでは、どのような議論が行われているのか。

遠山 被選挙権年齢の引き下げに関する論点は多くあります。一つは、衆院議員(25歳以上)と参院議員(30歳以上)の被選挙権年齢をそろえるべきかどうかという点。これは、有識者の間でも意見がまとまっておらず「衆院と参院の役割が違うのだから年齢が違ってもいい」という見解もあれば、「年齢をそろえても大きな問題にはならない」という見方があります。

また、(1)選挙権年齢と被選挙権年齢の関係を、どう考えるか(2)首長や地方議員の選挙権年齢――なども検討すべき課題です。

こうした論点について、しっかりと調査・研究し、党内議論を重ね、党として見解を取りまとめ、最終的な結論を得たいと考えています。

――遠山座長が参院議員に初当選した当時(2001年)は30代前半だったが。

遠山 新人議員として学ぶべきことは数多くありましたが、年齢が議員活動の支障になったと感じたことはありませんでした。意欲と責任感、国民や支持者のために行動する覚悟があれば、男女に関係なく、もっとたくさんの若者が政界に出てきてもいいのではないかと個人的には思っています。