公明新聞・東日本大震災10年特集公明新聞・東日本大震災10年特集

証言集

感謝と希望を胸に、あの日を語り続けた
工藤恵美さん(みやこ浄土ケ浜遊覧船マリンガイド)

あの日から、明日へ 3.11私たちの証言

2021.03.11

みやこ浄土ケ浜遊覧船マリンガイド・工藤恵美さん

 あの日は田老地区にいました。当時、この辺りはメールで緊急地震速報を伝える仕組みがありません。激しい揺れと地鳴りにおびえながら高台へと走りました。振り返ると、真っ黒な津波が高さ10メートルの巨大防潮堤を越えてきた光景は今も脳裏に焼き付いています。

 炊き出しのおにぎりで二晩を過ごし、三陸鉄道の線路上を少し歩いて自宅に帰宅できたのは3日目のこと。家族は全員無事でした。

 復興が進み、生まれ変わった街を見ると、うれしい半面、寂しい思いも。「震災を経験したからこそ“今のリアル”を伝えたい」と、7年前から「みやこ浄土ケ浜遊覧船」のガイドとなりました。感謝と希望を胸に、あの日の記憶と三陸の魅力を語り続けてきました。

 遊覧船の運航は、今年1月に終了しましたが、故郷への誇りを胸に、新たなステージで頑張ります。(岩手・宮古市在住 51歳)