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インタビュー

復興・防災、国主導で着実に進む
関西大学社会安全研究センター長 河田惠昭氏

識者が語る東日本大震災10年

2021.03.03

 東日本大震災から10年を前に、被災地に関わってきた識者は、今、何を思うのか。復興の現状や課題について聞いた。(随時掲載)

関西大学社会安全研究センター長・河田惠昭氏関西大学社会安全研究センター長・河田惠昭氏

 ――この10年を振り返って思うことは。

 河田惠昭・関西大学社会安全研究センター長 国主導で被災地の復興が着実に進められてきた。この10年間で約37兆円の復興予算が付いた。公明党の提案で復興庁が創設されていなかったらこれほど手厚くなっていなかっただろう。

 一方、被災自治体では、高台整備などまちづくりに予算を注いだものの、完成まで時間がかかり過ぎて人が戻ってこない所も多い。自治体がもっと工夫を凝らして、予算をさらに効率良く生かすことができたのではないだろうか。

 ――復興のまちづくりで自治体の成功例は。

 河田 例えば宮城県岩沼市は、臨海部に点在していた六つの集落を一つに集約。これにより防潮堤の整備や土地のかさ上げなど将来の災害への備えが集中的に行えるようになった。さらに、集落の中心部に商業施設や学校、病院なども整備したことで、震災前より利便性も向上している。

 復興の一番の目的は住民の生活再建だ。住民がその地域に住み続けたいと思えるよう、住民の意見がまちづくりにしっかり反映できるような仕組みが大切だ。

■地域の減災を「共助」で備えよ

 ――防災・減災対策で今後取り組むべき課題は。

 河田 大規模災害の場合、被害をゼロにするのは難しい。震災後、公明党の推進もあり、災害対策基本法が二度も全面改正され、さまざまな対策に減災の考え方が盛り込まれた。

 災害時にとるべき行動を時系列で整理したタイムライン(事前防災行動計画)や流域治水などがその表れだ。国土強靱化を通して、どうすれば被害を抑えられるかということを常に考えねばならない。

 その際に大切な視点は、災害に強い地域コミュニティーをつくるということだ。近年の自然災害でも、高齢者など要支援者が逃げ遅れて亡くなった事例が少なくない。住民同士で事前避難の時期などを話し合うなど「共助」による地域防災力の強化が急がれる。

■公明、政策の柱に被災者の生活再建

 ――公明党は復興に全力を尽くしてきた。

 河田 大震災を契機に、復旧だけでなく、復興が重視されるようになった。この復興を政治の中心に据えてきたのは公明党だ。公明党の政策は、どこまでも被災者の生活再建に基づいている。また、女性議員が多く、女性の意見がストレートに反映されている。国民が願っていることを政治に特に反映できるのは公明党だけだ。より一層、国民の声を政治に反映させてほしい。