公明新聞・東日本大震災10年特集公明新聞・東日本大震災10年特集

被災3県公明議員の⼿記

避難生活で聴いた声を政治に
元福島・大熊町議・伊藤昌夫氏

寄り添い続ける。

2021.02.13

避難指示が解除された地域を町民と散策する伊藤氏(右)=2019年4月14日 福島・大熊町避難指示が解除された地域を町民と散策する伊藤氏(右)=2019年4月14日 福島・大熊町

 大熊町は、東京電力福島第1原発の雇用で栄えた町です。私も原発の保守・点検の仕事に約30年従事し、大地震が発生した瞬間は5号機で作業中でした。まさか「全町避難」を余儀なくされる未曽有の事故が発生するとは……。

 避難生活を送る中、66歳で町議に初当選。以来、仮設住宅で暮らす仲間や各地へ避難した町民の声を徹して聴き、政治に反映してきました。仮設住宅の環境改善や手付かずだった墓地の除染・除草、行政情報が送られるタブレット端末の配布などを実現し、少しは役に立てたと思います。

 現在、大熊町は一部地域で避難指示が解除され、役場の新庁舎や災害公営住宅が整備されました。週1回とはいえ診療所も開所し、今春には待望の商業施設がオープンします。しかし、復興は緒に就いたばかりです。震災前に1万1500人いた町内居住者は300人未満。国の除染計画が定まらない「白地地区」の問題もあります。議員OBとして引き続き、国や東電に責任ある対応を求めます。

 一方、2023年度に町内で開設する「幼保・小中一貫教育施設」には、子育て世帯の帰還が進むとの期待を抱いています。余談ですが、私は卓球が趣味で、町の中学校のクラブで指導した経験があります。新たな学校でも手伝いができればいいなと、ひそかに楽しみにしています。

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