公明党

参議院選挙2022 特設サイト

ほっとストーリー

伊藤たかえの
「ほっとストーリー」

近年、社会が抱える重要課題の一つとして関心を集める「ヤングケアラー」。世の中の狭間に埋もれる彼ら彼女らに対する支援の動きが、徐々に広がり始めている。その陰には、伊藤たかえ参院議員(参院選予定候補=兵庫選挙区)の信念と行動があった。

「社会の宝 守りたい」ヤングケアラー対策を前に

「社会の宝の子どもたちを誰一人置き去りにしない」と現場を駆ける伊藤氏(右)

「介護で寝ることができず、限界だった」――。2020年9月、神戸地方裁判所の法廷で証言台に立った若い女性の吐露に、伊藤は胸を突かれた。

彼女はその前年の10月、神戸市内で同居していた祖母に手を掛けた。社会人1年目のスタートを切った矢先。親族から一身に背負わされた認知症の祖母の介護と、慣れない仕事の両立に悩む日々。誰にも相談できず、重度の貧血やうつ病を患うなど心身共に追い込まれた果ての犯行だった。

「こんな悲劇を二度と繰り返してはならない」。政治にできることが必ずあるはずだと、伊藤は「介護する側」への支援のあり方を模索し始める中で、親族の介護を余儀なくされる子どもがいることを知った。「ヤングケアラー」の存在だ。

“見えない”まま孤立深める場合も

ヤングケアラーとは、大人が担うような家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子どもたちの総称。ケアに携わることで家族の絆づくりなどプラス面がある一方、「お手伝い」の域を超えた過度な負担が学業や健康、友人関係、将来の進路にも影響を及ぼすと指摘されている。

20年度、国が初めて実施した実態調査では、中学生の17人に1人、高校生の24人に1人がヤングケアラーとの結果が。暮らしの身近にいることが明らかになりつつあるものの、周囲の目には「思いやりのある子」として映り、深刻な実態に気付かず、孤立を深めるケースが少なくない。

こうした実情について、伊藤は21年1月、ヤングケアラー研究の国内第一人者として知られる大阪歯科大学准教授(現在は教授)の濱島淑恵から直接聴き、衝撃を受けた。中でも、「ヤングケアラーの半数が周りの大人に相談したことがない」という事実に心が痛んだ。「苦しさを誰にも打ち明けられないまま、かけがえのない時間と夢を奪われる。これほど理不尽なことはない」。伊藤は目頭を押さえながら、自身の原点を思い起こしていた。

原点は「苦しむ人に寄り添う」との誓い

5回目の挑戦となる司法試験合格をめざしていた1995年1月17日。阪神・淡路大震災が発生し、見慣れた故郷の景色は一変した。

家族や仕事を失い、それでも懸命に生きる人たちを目の当たりにする中、勉強しかできない自分自身への罪悪感に押しつぶされそうに。落ち込む伊藤を、同じ被災者である地域の大人たちが勇気づけてくれた。「こんな時だからこそ、合格してほしい」と。

温かな励ましに背を押され、最難関の試験に合格し、弁護士の道へ。「悩み苦しむ一人に寄り添う」。若き日の誓いは、政治家になった今も変わらぬ伊藤の原動力だ。だからこそ「彼ら彼女らを放ってはおけない」。

政府、“脱・縦割り”で支援強化

国会質問で首相から言質引き出す

濱島から話を聴いた直後の21年3月8日。参院予算委員会で質問に立った伊藤は「将来のことも考えられなくなるような過度のケアは“家族思い”という言葉で済まされない」と力を込めた。そして、ヤングケアラー問題の背景には経済的困窮や障がい、介護などの複合的な「しんどさ」が横たわっていることを踏まえ、省庁間の縦割りを超えて、子どもたちのSOSをきちんとキャッチできる「受け皿」の構築を訴えたのだ。

答弁した当時の首相、菅義偉は「省庁横断のチームで、当事者に寄り添った支援につながるよう、しっかり取り組みたい」と。ヤングケアラー支援に関する意向を首相が示すのは初めてのことだった。伊藤が引き出した言質が強力な“追い風”となり、9日後には、厚生労働・文部科学両省の合同プロジェクトチームが発足。早くも新年度予算案に、ヤングケアラーの早期発見・把握、言葉の認知度向上などに向けた支援策が盛り込まれた。

国の動きと連動するように、自治体での支援も広がりを見せ始めた。伊藤の地元・兵庫では、県が新年度から当事者を支援するNPO法人への補助金支給の方針を打ち出すなど、国と自治体が一体となり、支援の歯車が回り始めている。

「声をチカラに。未来をカタチに」と、寸暇を惜しみ現場を駆ける伊藤。「未来を担い立つのは、子どもたち。社会の宝を、誰一人置き去りにしない」(敬称略)