「参加五原則」明記で国民の不安を取り除いた

国連平和維持活動(PKO)への自衛隊参加を可能とするPKO協力法は、1992年に制定された。  背景には、前年の湾岸戦争で、日本が国連の多国籍軍に巨額の資金協力をしたにもかかわらず、参戦国から「カネ」「モノ」だけでなく「ヒト」も必要と非難されたことがあった。従来の「一国平和主義」的生き方を見直す契機となったのだ。  公明党はPKO法制定に主導的役割を果たした。だが、戦後初めて自衛隊を海外派遣するとあって、同法の成立は困難を極めた。ノーベル平和賞を受賞したPKOは武力不行使の平和貢献であるにもかかわらず、「PKO部隊が武力行使に巻き込まれ、それが戦争に結びつくのではないか」などという懸念を抱く人が多かったのだ。  そこで、公明党が強く主張して、PKO部隊が戦いに巻き込まれないための厳格な「参加五原則」をPKO法の中に明記させ、国民の不安を取り除いた。  PKO法制定から20年の節目となった2012年の内閣府世論調査では、PKO参加に肯定的な意見が83.3%に達し、同法が国民の間にしっかり定着したことが浮き彫りとなった。

【写真】地元の人たちに手を振り、カンボジアのタケオ基地をバスで去るPKO派遣の自衛隊員 (1993年9月12日) 写真提供:共同通信社