Local Report

地域の未来(あす)へ―貢献する議員・党員小さな声を聴く力

離島からの進学に希望広がる
本土で学ぶ高校生の生活後押し
月1万5000円(上限)を補助

愛媛・松山市

▲親元を離れて暮らす高校生への補助制度の創設を喜ぶ雲峰市議(左端)と亀川さん(右端)ら

愛媛県松山市は、親と暮らしていた離島を出てアパートなどで生活している高校生の保護者に対し、生徒1人当たり月1万5000円(上限)を3年間補助する「里島高校生修学支援補助金制度」を4月に創設した。スポーツ部への入部や大学への進学をめざす子どもなどが、希望する高校で学べるように支援するもので、関係者から好評を博している。







“一通のメール”に公明市議が即行動

「半信半疑で送ったメールが、わずか1年で実現するなんて……。夢のようです」。自身の切実な願いがかない、満面の笑みで語るのは、亀川しのぶさん。高浜港(松山市)からフェリーで約1時間40分の離島・津和地島に住んでいる。長男の樹さん(17)は、本土の高校に進学したため親戚の家に下宿。毎月、2食付きで5万円の下宿代と、授業料などを合わせると約10万円の支出になり、家計を圧迫していた。

母親の亀川さんは昨年春、思い切って市に何か補助制度はないかとメールで質問。しかし、市当局から「制度はなく、今後の計画もない」との回答が来て、がくぜんとした。そんな時、公明党の伊予市議(当時)だった伯父の青野光さんの言葉を思い出した。「何か困ったことがあったら、松山市の雲峰広行議員(公明党)に相談を」

亀川さんは雲峰議員と面識はなかったが、わらにもすがる思いで昨年5月、思いの丈をつづったメールを送信。すると雲峰議員から、議会で取り上げることを約束する返信が。翌6月には、市議会定例会で「先日、津和地島に住む婦人から長文のメールが届きました」と、亀川さんのメールを読み上げる雲峰議員の声が議場に響いた。市独自の補助制度の創設を提言し、その後も粘り強く訴え続けた。

国では、公明党の推進により2012年度から「離島高校生修学支援事業」を実施している。ただ、補助対象が「離島に高校がない生徒」に限定されており、同市にある九つの有人島のうち、中島だけ高校の分校があるため補助対象外だ。また、他の島から中島にある中学校に通う生徒が多いため、市は「同じ中学校に通っていたのに、中島の生徒だけ補助を受けられないのは不公平」(「坂の上の雲まちづくりチーム」の中富宣行課長)という事情で、他の8島での事業実施も見送っていたのだ。

こうした中で、雲峰議員の訴えが市を動かした。対象外になっていた中島の生徒の分を、市が独自に予算計上することを決め、島の生徒が平等に補助を受けられる制度の創設が実現した。

亀川さんの次男・聖さん(15)も4月から、兄と同じ高校に進学。兄弟は卓球部に所属し、今年の県高校総合体育大会では、団体優勝に大きく貢献する活躍を見せ、亀川さんの喜びもひとしおだ。