Local Report

地域の未来(あす)へ―貢献する議員・党員小さな声を聴く力

空き家バンク、買い物弱者支援など政策提言で町政リード

島根・奥出雲町
内田勇議員

待望の学びやが2校同時に開設へ──。北海道はこのほど、知的障がいや発達障がいのある生徒が通う高等支援学校を、札幌市内に2校開設する方針を示し、関係者に喜びが広がっている。

島根県の南東部、奥深い中国山地の麓に、人口約1万4000人の小さなまち・奥出雲町がある。この町に、ただ一人の公明党議員として奮闘する、内田勇町議(67)がいる。

中国山地の中山間地域と同様、奥出雲町は深刻な過疎化の波にさらされている。人口の流出は激しく、同町(2005年に旧仁多町と旧横田町が合併)は1990年から25年余りで人口が約4000人減少した。65歳以上の高齢化率も37.3%に達し、町では若者の姿がめっきり少なくなった。

内田議員は、この奥出雲で生まれ育った。47年間、地元のバス会社に勤務した。町の隅々まで知っている。次第に活気を失っていく町の様子を眺めては、胸を痛めた。「この豊かな自然と文化が息づく奥出雲をもう一度元気にしたい」。内田議員は2009年、町議選に立候補し、初当選する。以来、愛する奥出雲の発展を誓い全力投球の日々を送ってきた。

▲党員らと語り合う内田議員(右から3人目)=島根・奥出雲町馬木地区

「どんなに人が少なくなっても住民が安心して住める町にしなければならない」。内田議員は公明新聞を隅から隅まで熟読し、「何か奥出雲で取り入れられる施策はないか」と日夜、研さんに励んだ。アイデアが浮かぶと直ちに議会で質問。井上勝博町長は「いつも新鮮な視点で積極的に提言してくれる」と賛辞を惜しまない。

この5年間の提案の中から数多くの施策が実現した。U・Iターンを促すための空き家バンク制度の創設や少子化対策としての出産祝金支給事業、バス路線の延長による交通空白地域の解消、LED防犯灯の設置(207基)、住宅用太陽光発電の補助制度導入、ドクターヘリの離発着地点整備、集落支援員の配置、学校耐震化の促進―などだ。

地域資源を掘り起こす

こうした中、同町は、町内全戸に敷設した光ファイバー網を活用し、09年から高齢者の見守り支援事業をスタートした。高齢者や民生児童委員宅などに多機能テレビ電話を設置し、コールセンターのオペレーターが声掛けや安否確認を行うほか、利用者はテレビ電話で買い物の注文・配達サービスを受けることができる。

▲高齢者見守り支援事業のコールセンターを視察する内田議員=島根・奥出雲町

“買い物弱者”対策を推進してきた内田議員は、「過疎が進む山あいの町に、最先端のICT(情報通信技術)がマッチングした」と胸を張る。

「奥出雲には地域に眠っている“宝”が山ほどある。その地域資源を掘り起こそう」。内田議員はそう考えた。奥出雲は、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治した出雲神話発祥の地。また、スタジオジブリのアニメ映画「もののけ姫」にも描かれている、日本古来の製鉄技術「たたら製鉄」の中心地だ。

内田議員は国内で唯一、操業を続ける「たたら製鉄」の世界遺産登録を議会で提案。国内最大規模の米の品評会で5度の金賞に輝いた「仁多米」の世界ブランド化も訴えた。

さらに、間伐材を伐採・搬出した町民に商品券を交付する「オロチの深山きこりプロジェクト」を創設。荒廃した里山の再生と地域活性化を図る。搬出された木材は、町内の温泉施設で木質バイオマスボイラーの燃料となっている。

内田議員は語る。「住民に地域への誇りと自信を持ってもらいたいんだ。そのためには何でもやる。ぎばむ(頑張る)よ」と。今日も町民のもとへ、内田議員は雪深い奥出雲を駆け巡る。(公明新聞2014年2月3日付)