Local Report

地域の未来(あす)へ―貢献する議員・党員ネット発信で広がる共感

こだわりの “作品” づくり今日も現場へ「よし!だッシュ!!」

京都市議会(伏見区) 吉田孝雄議員

▲議会改革のために、地方議会の『議員立法』に挑戦してきた吉田さん

京都の冬は底冷えする。

この日も身体に染みる寒さだった。

吉田孝雄(よしだ・たかお)議員との待ち合わせは、京都の中心・四条の喫茶店。 もうすぐ着くと連絡があったものの、なかなか来ない。 心配になり外に出ると、古風豊かな京都に似つかわしくない蛍光色のジャンパーを着て走る吉田さんを発見。店の間違いに気づき、あわてて走っていたのだ。

これが有名な「よし!だッシュ!!」。

思わず笑みがこぼれ、温かい気持ちになった。 誰からも親しまれるこのキャッチフレーズの通り、全てに全力疾走する吉田さんを取材した。

市会100年の歴史で初の快挙

2007年初当選。 議員になったばかりのころ、できることは何でもやろうと、ありとあらゆる地域行事に参加していった。その中で、少しずつ顔を覚えてもらい、信頼を積み重ねた。やがて、朝の街頭演説の際に声を掛けられ、その場が市民相談になっていく。そこから多くの実績が生まれた。

2009年、公明党が衆院選で惨敗した翌朝、街頭で壮年から声をかけられた。 「党員が自信を持って応援できるよう議員はもっと頑張らないと」。

当時、一部の知事や市長らの派手なパフォーマンスもあり、“地方議員は、何もしていない”“高い報酬をもらっているだけ”という声が全国的にささやかれ、議会は不要だと批判する声も多くなっていた。 吉田さんは地方議員の一人として、「地方議会の『議員立法』に挑戦し、目に見える形で議員の必要性を訴えよう」と決意した。

では、何をテーマに条例を制定していくか、京都市公明党議員団として話し合った結果、幅広い世代が使用し身近な課題となっている自転車問題でいこうと意見がまとまった。

▲「京都市自転車安心安全条例」の意義や、制定までのプロセスなどを盛り込んだハンドブックを出版

ちょうどそのころ、吉田さんの40年来の知り合いが自転車事故に遭い、首から下がまひしてしまう。自動車事故とは違い、損害保険に加入していることが少ない自転車事故では、被害者が泣き寝入りすることも少なくない。 これは条例整備をしなければと吉田さんは率先して、骨子案を作成。

商店街や業界団体との意見交換や、街頭でのアンケート、ホームページでパブリックコメントを募るなど、市民の声にも積極的に耳を傾けた。その結果、2010年10月28日、吉田さんが取り組み始めて、わずか半年というスピードで「京都市自転車安心安全条例」が可決成立。 これは、100年を超える京都市会で初めて成立した議員提案の政策条例だった。

吉田さんは、条例制定を機に、自転車政策に関係した多くの講演会に講師として呼ばれたり、京都市自転車安心安全条例の書籍まで出版。地方議員の役割理解の大きな拡大をすることができた。

▲自転車レーンの設置や駐輪場の整備が進んでいる

▲自転車レーンには自転車のマークを表示し、外国人観光客もすぐに分かるように工夫されている

 

「議員立法の過程では、さまざまな苦難があったが、市民に身近な地方議員が、小さな声をかたちにすることができました。議員冥利(みょうり)に尽きます。地域に根差して、地道に、コツコツと前進することこそ、地方分権への大きなうねりを起こすと信じて、これからも頑張ってまいります」と。
この後も、「京都市交通安全基本条例」を制定するなど、議会改革にまい進している。

“作品を残す”というこだわり

▲こだわりの"作品"を発信するため、作業が深夜に及ぶことも

議員には珍しく大阪芸術大学出身の吉田さん。 「こんな顔で芸大出身!?」と必ず驚かれるという。 世良公則、時任三郎、渡辺いっけい、筧利夫、古田新太… 作家の中島らも、エヴァンゲリオンの庵野秀明、「スーパーマリオ」や「ゼルダの伝説」などのゲームミュージックを作曲した近藤浩治。 同大出身者には多士済々の面々が並ぶ。 「他の人と違うということ」が大阪芸大出身生のアイデンティティと吉田さんはいう。

そんな吉田さんには、“全てが作品”というこだわりがある。 ホームページ、フェイスブックはもちろんのこと、政務活動費の記録や議会質問、実績…など、“自分の作品”だからこそ、プロセスから結果まで、すべてにこだわりがある。 facebookの書き込みは、毎日。 家にこもっての配信ではなく、動きながらの配信を心がけている。 ホームページは、もう一度このページにきたいという作品にしたい。

このこだわりがネット発信の充実につながっている。

「会ったことのない人」から応援の声が

吉田さんのホームページ。ここで全てが分かる。(クリックするとホームページに移動します。)▲吉田さんのホームページ。ここで全てが分かる。(クリックするとホームページに移動します。)

吉田さんのホームページの特徴は、何と言っても情報量の多さ。 これを見れば、吉田さんのことが何でも分かる。 特に、「私の少年時代」「私の青春時代」「私の学生時代」「私の社会人時代」というプロフィール紹介は、読みやすく、おもしろく、人柄が伝わってくる。 議員というより、友人の一人という印象を与え、思わず応援したくなる。

ホームページを見て、メールをくれる方やfacebookにメッセージを寄せて頂く方が多いという。

障害のある息子さんを持つお母さんのご家庭に行った時のこと。 ふとこんな話を聞いた。 「私の息子は、普段家から出ることができません。そんな息子から、あの議員は『信頼できる人だね』と言われたんです。息子は吉田さんのホームページを隅から隅まで楽しみに読んでいたようです」と。

「会ったことのない人をも味方にできる。ネットは大きな可能性を秘めている」と確信を持った。

市民の小さな声の代弁者になろう。 この気持が吉田議員を動かしている。

「よし!だッシュ!!--」

今日も京都の町をだッシュする。