新しい福祉社会ビジョン<中間とりまとめ>

「孤立」から「支え合い」の社会めざして 中間取りまとめ

「新しい福祉社会ビジョン」を発表する山口代表ら=18日 党本部

山口那津男代表、坂口力副代表(党社会保障トータルビジョン検討会座長)らは2010年12月18日、東京都新宿区の党本部で記者会見し、社会の新たな病理的側面にも対応する「新しい福祉」の理念のもと、将来に希望の持てる国づくりをめざす「新しい福祉社会ビジョン」の中間取りまとめを発表しました。

このビジョンは、同検討会が2010年8月の初会合以来、年金、介護、雇用、障がい者など10の作業チームや全体会合で議論を重ねてきたもの。公明党が以前から制度改革に取り組んできた社会保障制度を改めて見直すとともに、虐待、ひきこもりなど新たな社会的病理への取り組みも追加して「新しい福祉」と名付け、「『孤立』から『支え合い』の社会」への総合的な対応策を提言しています。

Ⅰ はじめに

わが党は、社会保障制度の見直しと、新しく発生してきた病理的側面への対応を加え、福祉を広義に解釈して「新しい福祉」と名付け、総合的に検討すべきと主張している。

今、地域や職域、家庭での人間的な「つながり」が薄れ、暴力、虐待、いじめなどが起こり、他殺や自殺、ひきこもり、不登校、心身症、うつ病などが多発しているが、これも福祉の一部として早急に対策を講じなければならない。これらの解決には、「孤立社会」から「支え合い」の社会をめざして、あらゆる仕組みを改革する以外にない。

基本的考え方

  • (1)健全な共助、健全な雇用こそ福祉の原点
  • (2)共助の精神に則り、福祉制度の所得再分配機能をより強化させ、充実した「中福祉・中負担」を実現
  • (3)共助社会を確立するため、地域や職場をはじめ、すべての社会構造を見直す

共助の具体的考え方

共助には、公的保険制度を通じての「間接的共助」と、グループや個人で助け合う「直接的共助」があるが、今後はボランティア活動も含め、互いに触れ合う「直接的共助」の精神が大切になる。わが党が掲げた新しい分野の福祉は「直接的共助」を中心に、生活の中に共助が息づく社会を追求するものだ。

「間接的共助」は今後、財政的に拡大すると予測される。できる限り「直接的共助」を拡大し、支え手の保険料や税負担を軽減しなければならない。

雇用こそ福祉の原点

「雇用」こそ福祉の原点であり、雇用なくして福祉は成り立たない。福祉の保険制度が、働く人の保険料に支えられているからだ。

グローバル社会を迎えこれからの日本は地域に根付き、新しいサービスや技術開発に挑戦する中小企業を育成できるかどうかで、将来が決する。

中小企業に、新たな販路開拓や金融面での支援、法人税率の引き下げ、若者も地域で安心して働けるような地場産業の振興など、雇用を支える環境整備に全力を挙げていく。

Ⅱ 公明党がめざす新しい福祉社会ビジョン

1 社会保障の制度設計の基本的考え方

  • (1)セーフティーネットの機能強化
    • 新しい福祉社会ビジョンでは、基本的に「セーフティーネットの機能強化」に重点を置いた改革を進める。
    • 少子高齢化という社会経済構造の変化に対応し、自助・公助・共助の適切な組み合わせで、最低限必要なサービスが保障される安心の社会をめざす。
  • (2)国民目線に立った改革の実施
    • 最大のポイントは、国民に理解され、分かりやすさを重視した、国民目線に立った制度改革だ。「給付と負担の関係」の明確化、制度設計のプロセスの透明化など、制度への信頼を得られる「見える化」を推進する。
    • 21世紀の社会保障制度は、国民の誰もが「共有の財産」として誇りを持てる制度をめざす。そのためには、国民一人一人が共に支えることで制度は維持されるという国民の意識変革が求められる。
    • 申請主義からの脱却やワンストップサービス化、コスト削減など国民本位の視点でサービスを提供する。そのための基盤整備に、社会保障番号を導入し、ICT(情報通信技術)の活用を図る。
  • (3)一般会計と社会保障会計の分離、社会保険制度の個人単位化
    • 一般会計と社会保障会計を分離し、毎年の社会保障費の「見える化」を提案。個人レベルで社会保障の給付と負担を分かりやすく示すための社会保障番号制の導入と、社会保険制度の個人単位化の検討を、国民の合意を得て進める。

2 社会保障を支える基盤の充実

  • (1)新成長戦略で持続可能な社会保障制度に
    • 社会保障制度を持続可能にするには、一定の経済成長が必要。ものづくり産業の再生、環境と農業を軸にした「緑の産業革命」、医療・福祉分野の雇用拡大と技術革新など、新たな成長戦略で、経済が着実に成長し続ける仕組みを築く。
  • (2)「支え手」の拡大
    • 社会保障制度の支え手の拡大も重要。女性や高齢者、若者などの活用が大切。また、正規や非正規、年齢や性別、障がいなどで差別なく働き続けられる仕組みを拡充させることが、「支え手」の拡大につながる。
    • 日本経済の活力を維持し、社会保障制度の安定運営にも直結するため、多様な働き方を推進する「働き方改革」を早急に進める。
  • (3)地域で「支え合う」社会の仕組みづくり
    • 地域や職場に「支え合い」の仕組みをつくるには、芽生えた個人間の連携をサポートすることが重要。それを支えるNPOへの税制面での支援や一定の行政権限の委託が必要。
    • 「ボランティア・ポイント」や、成年後見制度の充実など、個人を支える制度の充実も欠かせない。

3 制度設計にあたって

  • 年金・医療・介護・子育て支援などの分野で、負担と給付を含めた社会保障ビジョンを協議する両院合同の「社会保障協議会」(仮称)を設置する。
  • 協議には、検討期限を定め、各世代の幅広い意見を聞いて国民的議論を喚起し、与野党間の合意を得る。

Ⅲ 民主党の年金マニフェストの欺瞞性と公明党の年金改革

  • 民主党は、新たな年金制度の施行を13年度以降に先送り。03年に抜本改革を提案して以来7年間、制度設計の検討は全く進んでいない。それは、巨額の財源確保をはじめ、設計によっては負担増や給付減となる人が発生するなど、多くの問題を抱えているからだ。
  • 高齢化の進展で、年金・医療・介護費用が増大する中、年金だけに巨額の財源を投入するのは困難で、新たな制度を一からつくるのは非現実的。その意味からも04年改革は、少子高齢化や経済状況の変化に対応した、現実的で最善の改革だ。

Ⅳ 将来像「2025年」の社会保障の姿のイメージ

(全文に掲載)

Ⅴ 各論

  • (1)年金
  • (2)医療
  • (3)介護
  • (4)子育て支援
  • (5)障がい者福祉
  • (6)雇用
  • (7)住宅
  • (8)貧困・格差
  • (9)ソーシャル・インクルージョン(社会的包容力)

それぞれの基本的考え方と当面の具体的施策、中長期の課題(内容は全文に掲載)

Ⅵ 最終報告をめざしての検討課題

(全文に掲載)

Ⅶ 結び

(全文に掲載)

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