1999年8月、日本赤十字社を通して補助金を分配する形での日本臍帯血バンクネットワークが設立されました。
現在、ここに全国10地域バンクが参加しています。
ところが補助金事業に負う運営のため、その後、各バンクとも急速に慢性的赤字体質に陥ってしまいました。
臍帯血そのものに対する法律が未整備のままのため、それぞれ10バンクで保存されている臍帯血の質もばらつきが出てしまうなどの問題が発生しています。
これは移植を希望する患者の命を左右する重大な問題であることはいうまでもありません。
そのつど改善を図る取り組みはしてきたものの、安定した運営への見通しは全く立っていないのが実情です。
しかし、臍帯血の医療現場からの必要性はむしろ高まっており、2010年には累計移植件数が7,000例を越えたほか、同年5、6、11月には月間移植件数で骨髄バンクを通しての骨髄移植数を上回っています。
また、同年、年間移植数は初めて1,000例を越え、非血縁者骨髄移植とほぼ肩を並べるまでになり、臍帯血移植が造血幹細胞移植医療の中に確固とした地位を築きつつあることを示しています。
移植成績も他の幹細胞ソースの移植と比較しても全く遜色のない成果を収めています。
臍帯血そのものへの法整備の方向性を国が平成23年度中に示すことが求められているのです。