不育症対策が前進

初めて国会で取り上げ
ヘパリン自己注射に保険適用 社会的認知を広げる


杉浦教授(右端)から不育症の現状について学ぶ党女性委員会と荒木氏(左端)=2009年11月20日 衆院第1議員会館

妊娠はするけれど流産を繰り返す不育症―。主な原因はさまざまですが、適正な検査や治療を行えば、8割以上の患者が出産を迎えられることが分かっています。しかし、そこには経済的な負担という“壁”が立ちはだかっていました。

「息子の妻が『不育症』です。その医療費が本当に高くて…」。09年8月中旬、公明党の市川隆也岐阜県関市議は、Aさん(65)から切実な訴えを聞きました。「検査と治療合わせて月10万円近くかかるということも…」。Aさんの声は市川議員を通じて、荒木清寛参院議員に伝わりました。

「素早い対応に驚いた」

荒木氏は、さっそくAさんの息子から現状を聞くと、同年11月10日の参院予算委員会で不育症への公的助成実施を訴え、当時の厚労相から「(検査・治療について)有効性や安全性が確認されれば速やかに保険適用したい」との答弁を引き出しました。これが国会で初めて不育症の問題を取り上げた瞬間でした。Aさんは「まさかあんなに早く国会で質問してくれるなんて。スピード感ある対応に驚き、うれしくなりました」と振り返っています。

公明党は荒木質問をきっかけに、専門家を講師に招き不育症に関する勉強会を開催。全国各地の公明党議員が地方議会で公的支援を訴え、自治体独自の支援を求めるなど、党を挙げて対策に取り組んできました。

一方、政府側には具体的な動きが見られませんでした。10年11月19日の参院予算委員会。荒木氏は「1年たっても何の動きもない! どうなっているんだ!」と迫りました。

その結果、血栓ができやすい体質が原因とみられる不育症患者に対するヘパリンカルシウム製剤(ヘパリン)の在宅自己注射への保険適用について、厚労相から前向きな答弁を引き出し、今年1月1日から同注射への保険適用が始まりました。

不育症治療に詳しい名古屋市立大学大学院の杉浦真弓教授は「公明党が(国会質問などで不育症の)社会的な認知を広げるのに尽力していただき、ありがたいです」と語っています。荒木氏は「今回の保険適用は対策の第一歩です。不育症に関する理解を広げ、さらに公的支援を訴えていきます」と決意しています。

文中敬称略、肩書は当時
2012年1月15日付 公明新聞