小児救急電話相談

「♯8000」は子育ての味方
休日・夜中の急病に医師らが適切な指示


親子で楽しく会話する澪次君と淳子さん

「ママ、耳の中に音がする! 痛い!」――。街が寝静まったころ、外村澪次君(当時5歳)の泣き叫ぶ声が静寂を破った。母親の淳子さんが見た澪次君は、耳を押さえながらパニック状態。すぐさま近くの医療機関に電話をかけた。

「耳鼻科の担当医がいないので、対応できません」

どの医療機関も同じ回答だった。苦痛にもだえる澪次君を見ながら、淳子さんの不安が募った。

その時、市の広報が目に留まった。

「♯8000」
「小児救急電話相談」

早速、電話をかけた。症状を伝えると痛みの原因が分かった。成人でも猛烈な痛みを感じる急性中耳炎だった。

「家に座薬は残っていませんか」

女性看護師の指示に従い、応急処置すると、次第に痛みが引いたようで、30分程度で落ち着いた。翌朝、耳鼻科で受診し、3週間で完治した。

ただでさえ、子育てには心配事が多い。休日や夜中、子どもが急な病気にかかった場合、親も不安でパニックに陥る。子どもが軽症でも救急病院に駆け込む親もいる。それにより、緊急を要する小児患者の受け入れが困難になったケースもある。小児科医の負担が増える原因にもなっている。

こうした課題の改善にも役立つと、小児救急電話相談が導入された。休日・夜間に子どもが急に発病した際、固定電話から全国共通の短縮番号「♯8000」(プッシュ回線)にかけると、応急処置の仕方や病院での受診の必要性などについて、小児科医や看護師に相談できる。子どもの症状に応じた対処方法など、直接アドバイスを受けられ、子育て中の親にとっては頼れる存在だ。

この事業は、公明党が2003年衆院選のマニフェスト(政策綱領)に掲げて推進し、国の都道府県補助事業として予算化。08年9月現在、44都道府県で実施されている。

急性中耳炎の発症から1年。澪次君は今、元気に幼稚園に通っている。

「夜間でも、いざという時に相談できるので本当に助かりました」と淳子さん。「♯8000」は、子育ての強い味方だ。

文中敬称略、肩書は当時
2008年10月1日付 公明新聞