不適切な飲酒を防ぐ

6月施行 アルコール健康障害対策基本法
行政に総合対策の責務。
実効性ある計画が必要
公明が法制化をリード

飲酒が引き起こすさまざまな健康障害や、社会的な問題を減らすことを目的とする「アルコール健康障害対策基本法」(昨年12月成立)が6月1日から施行される。

同法は、「不適切な飲酒」がもたらす健康障害や自動車運転事故、暴力、虐待、自殺などを防ぐための基本理念を掲げ、国や地方自治体、酒類製造・販売業者、医療関係者などの責務を明記した。具体的には、国や地方自治体に対して、健康増進への総合的な対策を策定し実施する責務のほか、酒類製造・販売業者には、酒類の表示、広告、販売方法について不適切な飲酒を誘引しない自主的な取り組みを促している。

アルコールが介在する健康障害などについて厚生労働省が2008年に行った調査【表】によると、日本のアルコール依存症者と予備群は合わせて約440万人、治療が必要な依存症者は約80万人で、アルコール関連の問題を抱える人は約654万人と推計されている。また、アルコールが原因で死亡している人は年間約3万5000人と、年間総死亡者の3%余りに上っているが、実際に治療を受けているのは5万人にすぎない。

一方、不適切な飲酒は社会的な損失も大きく、病気やけが、生産性の低下などを含めた経済的損失は年間4兆1483億円と試算され、この額は酒税の約3倍にもなる。自動車運転事故や暴力、自殺、認知症などさまざまな社会問題の裏にも、不適切な飲酒が潜んでいるとみられる。

今回の法制化により、国が実効性ある基本計画を策定し、地方自治体における相談体制の整備、社会的な啓発やアルコール依存症者への支援の充実も期待されている。

この問題に対し公明党は、超党派の議員連盟に高木美智代衆院議員(議連会長代行)をはじめ党所属国会議員が参加。アルコール依存症などで苦しむ人や家族、関係団体と意見を交わしながら、同法案成立を積極的にリードしてきた。

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2014年5月27日付 公明新聞