東京駅の新駅舎に雄勝石

被災地の思いに応え、ドーム型屋根への使用が実現

昨年10月、創建当時の姿で全面開業した首都・東京の玄関口、JR東京駅丸の内駅舎。外壁は赤いれんがに覆われ、黒く重厚な光を放つドーム型の屋根が見る人を圧倒します。

この屋根のスレート(屋根材)の一部に使用されているのは、創建時と同様、東日本大震災の被災地である宮城県石巻市雄勝町産の「雄勝石」です。

1945(昭和20)年の東京大空襲で焼失後、再建された東京駅舎に雄勝石が使用されることはありませんでした。2000年1月、宮城県雄勝町(当時)を訪れた公明党の井上義久幹事長(当時は筆頭副幹事長)に対し、町長が「再建される東京駅に雄勝石を使用してほしい」と要望。その後、同町は石巻市と合併し、井上幹事長は石巻市長へ雄勝石の使用を提案し、JR東日本にも申し入れを行うなど、一貫して尽力してきました。

07年から工事が始まり、いよいよ屋根にスレートを葺く段階となった矢先、東日本大震災が発生。津波でスレートも流されました。しかし、「何が何でもやり遂げる!」と、逆境の中でも熱い職人魂は屈しません。地元住民や全国のボランティアの応援も受けながら無事、納品されたのです。

駅舎の地下(丸の内地下南口改札外)には、108枚の雄勝石スレートを使った富士山の壁画も展示。雄勝町の小中学生150人の力作です。長年奔走してきた井上幹事長は、「駅舎は、まさに“復興のシンボル”。ただただ感無量です」と語りました。

文中敬称略、肩書は当時
2013年4月30日付 公明新聞