がん専門医 小学校で授業

公明新聞:2018年3月21日(水)付

市立総社東小学校で行われた、がん教育のモデル授業市立総社東小学校で行われた、がん教育のモデル授業

林和彦 東京女子医大教授
岡山・総社市

公明党が、改正がん対策基本法に学校などでの推進を明記させた「がん教育」。2017年度から文部科学省が小中学校や高校で、がん教育を本格化させる中、岡山県総社市の市立総社東小学校(室山和久校長)でこのほど、東京女子医科大学がんセンター長の林和彦教授による“モデル授業”が開かれた。これには、公明党の頓宮美津子、岡崎亨一の両市議のほか、倉敷、瀬戸内、大阪府枚方の3市からも公明議員が視察に訪れた。

早期発見へ検診が大切

モデル授業には、同小学校の6年生約40人が参加。がんに関する知識を深め、“がん患者を支える心”を学んだ。

林教授は中学生のときに歯科医の父を胃がんで亡くしたことで、医師になることを決めたという。「母から亡くなる1週間前に知らされたが、何もしてあげられなかった。知っていたら何かできたかもしれない」。自身の経験から、がん啓発のため全国を回っている。

林教授は授業で、「がんは日本人の2人に1人が患い、死因のトップとされている」と説明。「テレビの中とか、どこか遠くの話ではなく、自分にとって身近なものだと知ってほしい」と強調した。一方で、「たばこを吸わない」「バランスの取れた食生活」「適度な運動」などの正しい生活習慣で予防できることや、検診による早期発見が有効であることも紹介し、「早く見つけてやっつければ、怖くない」と訴えた。

児童ら“寄り添う心”学ぶ

授業の中で児童たちは5、6人の班をつくり、「あなたの大切な人が、がんになったら何をしますか?」というテーマでグループワークを行い、各班の代表者が発表。「がんについて調べ、プラスになることを教える」「気持ちを理解し、いつも通りの生活が送れるようにサポートする」「寄り添って安心できる言葉を掛けて励ます」「大切な人だから、ありがとうと感謝を伝える」などの回答が上がった。

林教授はまとめとして、「今日の授業を通して、皆さんの優しさを感じることができて楽しかった。学んだことを生かして病気と闘う人を支えてあげてほしい」と話し、「帰ったらおうちの人に『私が大切なら検診を受けて』と言ってあげて」と呼び掛けた。

授業後、室山校長は「専門の医師に授業を行っていただけたことは児童だけでなく、教える立場の私たちとしても学べることが多く、本当にありがたい」と語っていた。

公明が発案し推進

がん教育について林教授、室山校長らと意見を交わす頓宮市議ら頓宮市議は、17年10月に兵庫県加西市の小学校で開かれた林教授の授業を視察し、同11月定例会でがん教育について言及。「がん教育の醍醐味は生徒の変容ぶりにある。45分の授業でも大人顔負けの意見を持つようになる」と強調し、「林先生を呼んで授業を行ってはどうか」と提案。林教授と室山校長に直接交渉し、今回の授業が実現した。

頓宮市議は「『岡山県内でどこの市よりも、がん教育が進んでいる』と言われるような総社市をめざしたい」と話していた。

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