主張平昌パラリンピック 真剣勝負が生む感動を再び

公明新聞:2018年3月9日(金)付

五輪の興奮冷めやらぬ韓国の平昌で、障がい者スポーツの祭典、第12回冬季パラリンピックがきょう開幕する。

4年に一度の大舞台に照準を合わせてトレーニングを積み、自身の限界に挑戦する全てのパラリンピアンに心からエールを送りたい。

過去最多となる49の国・地域から選手がエントリーし、アルペンスキーやアイスホッケーなど6競技80種目で、10日間にわたり熱戦が繰り広げられる。

日本からは車いすカーリングを除く5競技に、38選手が出場する。日本選手団の目標は、前回のソチ大会の6個を超えるメダルの獲得だ。冬季五輪史上で最多となる13個のメダルを獲得した平昌五輪の勢いそのまま、日本勢の活躍に期待したい。

今大会は、2020年の東京大会の成功に向けても重要な意味を持つ。

平昌では、今後の開催都市向けの実地研修プログラムが実施される。これには東京五輪・パラリンピック組織委員会から職員約60人が参加する。競技運営や警備、輸送など、2年後に向け検討課題は多岐に及ぶだけに、実りある研修としてほしい。

平昌パラリンピック開催に当たり、組織委員会が車いす選手向けの低床バスやリフト付き車両を200台以上準備したように、ハード面のバリアフリー化はもちろん参考になろう。

同時に、選手や観客ら世界中から訪れる障がい者に、スタッフやボランティア、市民が相手の立場に立って対応する「心のバリアフリー」についても、現地で学ぶことが多いのではないか。

今大会への関心は高く、入場券の販売枚数は既に目標の22万枚を大きく上回り、28万枚を超えている。日本でも障がい者スポーツへの関心は年々高まりを見せ、東京都が1月に発表した調査でも「関心がある」と答えた人の割合が2年前に比べ12ポイント増加した。

スポーツ基本法の制定や関連予算の増加で、障がい者アスリートを取り巻く環境は改善しつつある。これに加え、熱い応援が障がい者スポーツの振興を後押しすることも忘れてはなるまい。

今大会の成功を東京へとつなげたい。

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