コラム「北斗七星」

公明新聞:2018年2月14日(水)付

「山中の賊を破るは易く、心中の賊を破るは難し」。中国・明の思想家、王陽明の言葉だ。自身の壁を破る鍛錬。スポーツ選手にとって五輪はその集大成の場でもある◆大会4日目の平昌五輪。メダルを期待し、テレビ中継に見入った人もいたに違いない。フリースタイル男子モーグルの原大智選手、スピードスケート女子1500メートルの高木美帆選手、ジャンプ女子ノーマルヒルの高梨沙羅選手が表彰台に立った。活躍に拍手を送りたい◆今回の五輪で日本オリンピック委員会(JOC)は「複数の金」を含む9個のメダル獲得を目標に掲げた。夏冬の枠を超え五輪の機運を盛り上げたいJOCの思いだろう。とはいえ、結果にばかり目を奪われては、次への糧とならないのは当然だ◆ジャンプ男子ノーマルヒル。21歳の小林陵侑選手が日本勢最高の7位と大健闘した。昨季のW杯で17戦して一度も30位以内が争う2回目に進めなかったのに、である。聞けば、日本チームは結果を出していないこの若手を起用し続けたという◆人材を発掘し支援する、国肝いりの組織の事業で生まれた初の五輪選手だが、チームの決断が未来に光明をもたらした。「何事も個人なしには始まらない。しかし組織なしには継続しない」(欧州統合の父・モネ)。個に光を当てチームで支える。発展への鍵もそこにあろう。(田)

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