高校生に労働法教育

公明新聞:2018年1月20日(土)付

石井校長と意見を交わす公明党の秋林、阿部の両県議石井校長(左端)と意見を交わす公明党の(右から)秋林、阿部の両県議

最低賃金、有給休暇の取得…働く人守る知識学ぶ
千葉県

働く人の権利などを高校生らに教える労働法教育が活発に行われている。職場のトラブルや過酷な働き方を強いるブラックバイトなどから、身を守る知識を習得するのが狙いだ。千葉県では社会保険労務士を講師にした「ワークルール(労働法令)講座」を開催しており、同県立館山総合高校(館山市)で行われた授業現場を、公明党県議とともに訪ねた。

生徒「トラブル対応が分かった」

「有給休暇は、冠婚葬祭など特別な理由がなくても使えるでしょうか」

千葉県立館山総合高校で昨年12月に行われた「ワークルール講座」。3年生約130人を前に社会保険労務士の髙橋泉講師が質問すると、生徒たちは首をかしげながら、「使える」「使えない」のいずれかを選び手を挙げる。

正解は「使える」だ。髙橋氏が「有給休暇はどんな理由でも使えます。ただ、会社が忙しく業務に支障が出る場合は、別の日に変更してもらう規定もあります。よく会社と相談してください」と解説すると、生徒たちは真剣なまなざしを向けていた。

このほか髙橋氏は、最低賃金や労働時間が1日8時間と決められていることなどを説明。「労働条件が守られていない場合は、相談先として労働基準監督署や社会保険労務士を頼ってほしい」と強調していた。1時間近くの講座を終え、就職を希望する女子生徒は「社会人となった時、労働トラブルにどう対応すればいいのか分かりました」と感想を述べていた。

同校の石井浩己校長は「教員は労働法に精通しているわけではないので、専門家である社会保険労務士の方に教えてもらうと助かります」と話す。

千葉県では2015年度から、高校でのワークルール講座に取り組み、この3年間で4600人以上の生徒・教職員が受講した。県雇用労働課がまとめた生徒へのアンケート結果によると、「労働に関する法律がたくさんあり、驚いた」「アルバイトにも最低賃金があることを初めて知った」といった声が多く寄せられており、啓発の効果は大きい。

千葉県議会公明党も、議会質問で社会保険労務士会と連携した労働法教育の充実を推進。講座を視察した阿部俊昭、秋林貴史の両県議は「今後も、労働法教育の普及を応援していきたい」と意欲を語っていた。

高い離職率などが背景 国も教員向け資料を作成


「残業代も払われずに長時間働かされた」「アルバイトを辞めたい意向を伝えたら、損害賠償請求すると脅された」など、労働法の知識に乏しいため職場でトラブルに巻き込まれてしまい、泣き寝入りを余儀なくされる若者は少なくない。

例えば、厚生労働省が16年に公表した調査では、アルバイトをした高校生の約3割が何らかのトラブルに遭遇。また、アルバイトを始めるに際して6割が労働条件を示した書面を交付されていない実態が分かっている。

さらに、高校や大学を卒業後に過酷な働き方を強いるブラック企業に就職し、心身を疲弊させてしまう人もいる。新卒者が就職して3年以内に離職する割合は大卒で約3割、高卒で約4割と高く、こうしたブラック企業の存在が一因と指摘されている。

社会に出る前に、労働者の権利などを学ぶ労働法教育の重要性は高まっており、国も普及へ力を入れている。

厚労省は17年3月に、高校の教職員向けに労働法教育を行う際のモデル授業案を示した指導者用資料を作成し、全国の高校に配布した。資料を活用すれば、「労働条件」や「ハラスメント(嫌がらせ)」などをテーマに、総合学習の時間などに授業ができる内容だ。さらに厚労省は昨年、高校教職員向けのセミナーも全国10カ所で開催している。

今年度末までには、大学教職員向けの指導者用資料も作成する予定で、厚労省労働条件政策課は「労働法教育の普及により、若者が安心して働き続けられる環境づくりを進めたい」と話す。

公明党が啓発へ積極的にリード


公明党は労働法教育の普及を積極的に推進している。

例えば、15年7月に政府へ提言した青年政策に、労働法令に関する啓発活動を明記している。また、公明党の推進で15年9月に成立した若者雇用促進法では、学生・生徒に対する労働法制に関する知識の啓発が国の努力義務とされた。同法を踏まえ、都道府県労働局やハローワーク職員により高校などへの講師派遣が行われている。

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