「世界遺産」に政府が推薦
公明新聞:2018年1月20日(土)付
大阪の古墳群の世界遺産登録へ大きく前進!――。政府は国内有数の規模を誇る大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」を、世界文化遺産に推薦することを正式に決め、19日の閣議で了承した。2月1日までに国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦書を提出し、2019年夏に開催されるユネスコ世界遺産委員会での登録決定をめざす。
北側副代表ら議連が後押し
長年、地元住民と共に古墳周辺の清掃活動を続け、超党派の推進議員連盟の幹事長として世界遺産登録をめざしている公明党の北側一雄副代表は、「登録に向けて第一歩を踏み出すことができた。まだ超えなければならないハードルはあるが、地元の皆さんや、自治体、政府と一丸となって頑張りたい」と意気込んでいる。
政府の推薦を受け、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が今年9月ごろに現地調査を行い、19年5月ごろに登録の可否を勧告する。
「百舌鳥・古市古墳群」は、大阪府南部の百舌鳥地域(堺市)と古市地域(羽曳野市、藤井寺市)にある国内有数の古墳群で、当時の政治・文化の様子や、先進技術を表す物証になっている。今回は、現存する89基のうち、4世紀後半から5世紀後半に築かれた49基が推薦される。日本最大の前方後円墳・仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳、堺市)も含まれる。
今回の推薦決定について堺市世界文化遺産推進室の宮前誠室長は、「過去3回の“落選”を経て4度目の正直で国内推薦を勝ち取ることができ、とても喜ばしい。気を抜くことなく登録をめざしたい。超党派議連には強力に応援してもらった。中でも古墳への造詣が深い北側議連幹事長がリーダーシップを発揮してくれており、大変心強い」と語っている。
国内の世界文化遺産は、昨年登録された「宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)を含め17件、自然遺産も合わせた世界遺産は21件。世界遺産の審査は毎年実施されており、政府は今年、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎県、熊本県)を文化遺産に、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島県、沖縄県)を自然遺産に推薦している。
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