主張寒波襲来

公明新聞:2018年1月16日(火)付

除雪の担い手どう確保するか


先週、強い寒気の流れ込みや冬型の気圧配置の影響で、北陸や西日本が大雪に見舞われた。新潟市では平年の10倍を超える積雪を記録、新潟県内を走るJR信越線は、三条市内で15時間以上も立ち往生した。

大雪のピークはひとまず過ぎたものの、雪崩や屋根からの落雪に細心の注意が必要である。今後も大雪の被害が発生する可能性があり、政府は除雪費用の確保や人的支援など対策に万全を期してもらいたい。

積雪時に必要になるのが雪かきや雪下ろしなどの除雪作業だが、とりわけ高齢世帯は厳重な注意が欠かせない。総務省消防庁の調べによると、昨年春までの5年間で雪下ろしなど除雪作業中に死亡した人の75%が65歳以上だった。この冬も痛ましい事故が相次いでいる。

高齢化や過疎化が進む地域ほど、除雪作業は深刻な課題になっている。こうした現状にどう対応していくか。

山形県酒田市では、住民と地域外の人材が共同で除雪ボランティアを行い、高齢世帯の除雪活動支援のほか、「雪かき道場」と称して担い手の育成を進めている。「自助」と「公助」だけでなく、「共助」の広がりに知恵を絞る視点は重要だ。

一方、公道などの除雪は、地理や道路事情を熟知した地域の建設業者の力が不可欠だ。ところが、公共事業の縮小などに伴う建設業者の減少や高齢化により、除雪に必要な重機のオペレーター(操縦者)の維持が困難になりつつある。

この点、兵庫県では地域の建設業者の除雪業務への受注意欲を高めるため、除雪工事の実績を他の工事の受注に反映するなど独自の評価制度を採用している。除雪技術を伝承するための講習会を自治体合同で行う地域もある。各地の参考になるのではないか。

何より、大雪の被害を軽減するには、気象観測の精度向上に加え、行政や関係機関は住民に必要な情報を的確に伝え、混乱を最小限にとどめることが求められる。住民も不要不急な外出は控えることが重要だ。降雪後の車での外出は道路渋滞を招き、除雪の遅れにつながる恐れもある。

社会全体で大雪への備えを心掛けたい。

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