主張中高年のひきこもり  実態調査急ぎ、きめ細かい支援を

公明新聞:2018年1月10日(水)付

ひきこもりの長期化、高年齢化という深刻な現実を直視し、一刻も早く本人や家族に希望を届けたい。

内閣府は2018年度、40~59歳を対象とした、ひきこもりの実態調査に初めて乗り出す。ひきこもり状態の人がどの程度いるかに加え、家庭の状況や課題を把握するため、18年度予算案に調査費2000万円を盛り込んだ。

40歳以上を対象にした調査は、公明党が現場の声を基に「若者だけの問題ではない」「長期化による孤立は深刻」と実現を訴えてきたものであり、評価できる。

不登校など若者特有の現象と捉えられがちな、ひきこもり。これまで国も調査対象を39歳までに限り、その数は約54万人に上ると推計してきた。ただ、15年の調査によると、ひきこもり期間は「7年以上」が約35%と最多で、高年齢化が懸念されていた。

事実、茨城県や山梨県が独自に実施した実態調査によると、40代のひきこもりが最も多く、佐賀県の調査では実に7割以上が40歳以上の中高年層だった。NPO法人「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」が40歳以上のひきこもりがいる家族に聞き取り調査をしたところ、その平均期間は22年以上に及ぶ。

中高年のひきこもりは、社会とのつながりが薄く家族だけで課題を抱え込みがちで、行政や医療機関などの支援を受けられないまま孤立するケースが少なくない。

とりわけ見逃せないのは、支える側となってきた親の高齢化だ。共倒れのリスクを抱えながら80代の親が50代の子どもの面倒を見る「8050問題」という言葉が生まれるほど、事態は深刻さを増している。親亡き後、本人をどう支えるかとの課題も横たわる。

ひきこもりは、長期化するほど解決が難しくなるとされる。病気や介護、経済的困窮といった問題が複雑に絡むだけに、解決は一筋縄ではいかないだろう。

「どのような支援が求められているか」「長期化を防ぐにはどうすれば良いか」。きめ細かく効果的な対策につなげる上で、実態調査の意義は幾重にも大きい。当事者や家族の実情に即した調査を丁寧かつ速やかに進め、支援体制の構築を急ぐべきだ。

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