主張ヘイトスピーチ 「許されない」との認識広げよ

公明新聞:2017年12月5日(火)付

「人権擁護に関する世論調査」の結果を内閣府が公表した。民族差別的な言動を繰り返すヘイトスピーチ(憎悪表現)の街宣活動やデモに対する受け止めを複数回答で聞いた初の調査が含まれており、注目したい。

ヘイトスピーチは「日本に対する印象が悪くなる」「不愉快で許せない」との否定的な回答がそれぞれ半数に迫る一方、「表現の自由の範囲内」が17%、「ヘイトスピーチされる側に問題がある」が10.6%と、容認する立場が一定割合を占めた。「自分には関係ない」も1割を超えた。

出身国や地域を理由とした「不当な差別的言動は許されない」。これは公明党が推進し、昨年6月に施行されたヘイトスピーチ解消推進法の理念だ。

「○○人は殺せ」などと特定の民族を攻撃して憎悪をあおる言動は、あってはならない。この認識を広く国民が共有できるよう、国や自治体は粘り強く取り組みを続ける必要がある。

ネット上には憎悪表現が横行している。今回の調査では「ネットによる人権侵害」に国民の関心が高まっているという特徴も浮かび上がった。

誰でも手軽に発信できるネット空間には、悪意に満ちた表現も瞬時に拡散する危険性が横たわる。それだけに国民一人一人の良識と意志に基づく主体的な努力で、差別なき社会を築くという視点が欠かせない。

加えて、国や自治体による人権擁護に向けた意識啓発についても、ネットの活用を一層進めるべきであろう。

差別表現に関する外国人の相談が急増しているとの報告もある。

既に法務省は4月から、外国語人権相談ダイヤルの統一や多言語化、時間延長を始めるなど体制を充実させている。国はさらに努力を重ね、外国人が安心できる社会の実現を進めなければならない。継続的な実態調査も求めたい。

折しも4日から、「人権週間」が始まった(10日まで)。今年度の活動目標には「未来へつなげよう 違いを認め合う心」とある。人それぞれの差異を認め、互いに協調する心を育んでこそ、わが国を世界に誇る「人権の先進国」とすることができる。

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