主張インフルエンザ 異常行動による事故 注意したい

公明新聞:2017年11月30日(木)付

突然走り出し、窓から飛び出す。こうしたインフルエンザ患者の異常行動が2009年以降、少なくとも404件起きていたことが厚生労働省の調査で分かった。

未成年者が約8割を占め、死亡事故も発生している。昨シーズンは10代の2人がマンションから転落するなどして亡くなった。悲劇を繰り返してはならない。

事態を重く見た厚労省は27日、小児や未成年者が罹患した際の注意喚起の徹底を全国の自治体に求めた。▽窓や玄関を確実に施錠する▽ベランダに面していない部屋で寝かせる▽戸建ての場合は極力1階に寝かせる―といった対策を呼び掛けている。

国立感染症研究所は「12月上旬までにインフルエンザの全国的な流行期に入る可能性がある」としている。国や自治体は、注意点の周知を迅速かつ丁寧に進めてほしい。

異常行動については「タミフル」や「リレンザ」といった治療薬の服用後に起きるケースが報告されているが、薬との因果関係は分かっていない。服用していないのに異常行動が起きた例もあり、服薬の有無にかかわらず警戒が必要だ。

今季は、ワクチン不足も取りざたされている。

国は当初、より効果の高い新たな種類のワクチンを製造しようとしたものの、十分な量が確保できないことが判明。急きょ、昨年と同じ種類に切り替えたため、準備が遅れたという。

昨シーズンの使用量を100万本余り下回る恐れがあったが、現在は、ほぼ同量を供給できる見通しが立った。ただ、一部地域で医療機関に行き届くまで時間がかかっている。国にはワクチンの偏在が起きないための対策に加え、製造が遅れた教訓を来季以降に生かしてほしい。

「予防接種は誰でも2回必要」との誤解が一部にある。1シーズン2回の接種は、医師の判断で必要とされた場合や13歳未満に限られる。厚労省は多くの人が早めにワクチン接種できるよう、「13歳以上は原則1回」の徹底を呼び掛けている。

手洗いやマスクの着用、十分な休養など、日頃の予防策や体調管理が重要であることも改めて強調しておきたい。

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