主張COP23閉幕 日本は先進国、途上国の結束促せ

公明新聞:2017年11月21日(火)付

ドイツで開かれた国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)が閉幕した。

海面上昇の危機に直面する議長国のフィジーが「真剣に挑戦し、行動を」と切に訴えた通り、地球温暖化対策は国際社会の最優先課題の一つである。

COP23の議題は、新たな温暖化対策の国際枠組みである「パリ協定」のルールづくりだった。しかし、温室効果ガス排出量の算定方法や国別目標の見直し手法を巡って先進国と途上国が激しく対立し、交渉は難航した。

それでも、ポーランドで来年12月に開かれるCOP24で運用ルールを決定するため、その前に追加の会合を開き、交渉を加速させることを確認した文書を採択できた。各国の危機感が一定の合意に結びついたことを評価したい。

2020年の協定開始を前に、各国へ温室効果ガス削減目標の上積みを促す新たな対話の枠組みを来年試行することで一致した意義も大きい。各国が目標を全て達成しても、パリ協定がめざす「産業革命前からの世界の平均気温上昇を2度未満に抑える」との目標達成は困難だからだ。

強調しておきたいのは、わが国が果たす役割である。

温室効果ガス排出量の正確な分析・予測技術や人材育成に定評のある日本には、先進国と途上国の結束を促し、実効性あるルールづくりを主導することが求められている。

COP23で政府は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の総会を日本に誘致する意向や、途上国で人材育成を行うプロジェクトへの支援を表明した。こうした取り組みが効果を発揮することを期待したい。加えて、協定離脱を表明している米国に、離脱を思いとどまるよう粘り強く働き掛けるべきだ。

協定発効を機に、温暖化防止への意識は世界レベルで高まっている。自治体が独自に温室効果ガス削減計画を発表している国もある。環境などに配慮する企業を重視する「ESG投資」は世界運用資産の3割に迫る。

国家間の協力はもちろん、民間企業や市民も含めた総力戦でなければ脱炭素社会は実現できない。そのカギを握るのがパリ協定であることを、改めて確認しておきたい。

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