公明、29議席で再出発

公明新聞:2017年10月25日(水)付

第48回衆院選 結果分析

自公連立政権に引き続き日本の未来を託すのか、野党に国のかじ取りを委ねるのかが問われた第48回衆院選で、有権者は再び自公連立政権に信任を与えた。公明党は、公認候補を擁立した9小選挙区で8人が激戦を制し、比例区では21議席を獲得した。

8小選挙区で激戦突破

北海道10区 513票差で競り勝つ

ブロック別の小選挙区・比例区の党派別議席数公明党は前回2014年の衆院選で勝利した9小選挙区すべてに公認候補(いずれも前職)を立て、8小選挙区で議席を死守したが神奈川6区で惜敗した。

今回の小選挙区は、解散後に野党再編が起こったため公示まで選挙区情勢が混沌とするなど、前回とは様相の違う選挙戦になった。特に、公明党が挑んだ小選挙区の多くで野党による候補一本化が実現した。

北海道10区の稲津久氏は、共産が候補を取り下げたため立憲民主と一騎打ちになった。立憲民主は優位な戦いを続けたが、稲津氏が懸命に追い上げ、513票差で競り勝った。

神奈川6区も共産が候補を取り下げ立憲民主との一騎打ちの構図になり、上田勇氏は猛追したが、あと一歩、及ばなかった。

大阪6区の伊佐進一氏と大阪16区の北側一雄氏も、同様に立憲民主と一騎打ちの構図となった。特に大阪16区は立憲民主が優勢だったが北側氏は約1万2000票差で振り切った。大阪5区の国重徹氏は立憲民主と同区を必勝区とする共産と戦い、次点の立憲民主を約4万6000票の大差で破った。

共産との一騎打ちとなった東京12区の太田昭宏氏、大阪3区の佐藤茂樹氏、兵庫8区の中野洋昌氏も共産を寄せ付けず比例復活も阻止。兵庫2区の赤羽一嘉氏は、元民進の無所属、共産と戦い、次点の無所属に約4万8000票差をつけ共産の比例復活も阻止した。

比例選善戦も21議席

東北、北陸信越では得票数増

比例区の総定数が前回衆院選の180から176に減り、各党が、し烈に争う選挙戦となった中、公明党は21人の当選にとどまった。前回獲得した26議席以上の確保をめざして善戦したが及ばず、5議席減という結果となった。総得票数は697万7712票で前回と比べて33万6524票減、得票率も12.51%と前回を1.2ポイント下回った。

ブロック別に見ると、北海道、東京、北陸信越、近畿、中国、四国の6ブロックで議席を維持。定数減となった東北や北関東、九州・沖縄の各ブロックでは前回より1議席減らした。南関東、東海の両ブロックも1議席減となった。

得票数を増やしたブロックもある。東北ブロックでは、前回より3万2571票増の46万3740票を獲得。北陸信越ブロックでも、前回を2万4856票上回る31万8050票を獲得した。

比例区の総得票数で公明党は、前回に引き続き第4党だったが、都道府県別に見ると、第2党、第3党だったところが少なくない。

自民党に次ぐ第2党となったのは和歌山、山口、沖縄の3県。第3党だったのは大阪、鳥取、徳島、香川、愛媛、福岡、長崎、宮崎の8府県に上った。

得票率の上位10位は、沖縄県(17.28%)、福岡県(同)、宮崎県(16.67%)、和歌山県(16.62%)、岡山県(16.54%)、高知県(16.09%)、長崎県(16.04%)、鳥取県(15.93%)、大阪府(15.90%)、徳島県(15.40%)。絶対得票率(当日有権者数に占める得票数の割合)を見ると、沖縄県(9.40%)と福岡県(9.00%)の2県で9%台を記録した。

信任された自公政権

安定多数で社会保障の強化へ

衆院選 党派別当選者数経済再生とデフレ脱却を着実に進め、「全世代型社会保障」の実現を掲げた自公連立政権に対し、国民は積極的な評価を与えた。

自公両党は協力して衆院選を戦い、定数465(今回から10減)に対して313議席を獲得。安定した政権運営が可能となる「絶対安定多数」(261)を大きく上回り、「3分の2」(310)も超えた。

解散から投票まで3週間余りという異例の短期決戦となった今回の衆院選で公明党は、小選挙区で8、比例区で21の計29議席を獲得した。自民党は、公示前勢力と同じ284議席を確保。全議席に占める割合は61%を超えた。公明党が推薦した自民党公認候補のうち、207人が小選挙区で当選、42人が比例区で復活当選した。

今回の衆院選は、少子高齢化が進み、北朝鮮情勢も緊迫する中、国民の生活や未来に責任を持ち、安心感を持って任せられる政権を選択する選挙だった。

選挙戦で自公両党は、名目GDP(国内総生産)が政権発足前から50兆円増え、正社員の有効求人倍率は初めて1倍を超えるなど経済政策の成果を強調。平和安全法制で日米同盟の信頼性が向上したことも訴えた。

さらに少子高齢化対策として消費税率10%への引き上げに伴う増収分の使途を変更し、社会保障を全世代型に転換すると主張した。

自公両党による313議席の獲得は、「政策を遂行する総合力を有する安倍政権の継続が最も現実的な選択肢だ。有権者はそう判断した」(23日付「読売」)結果といえよう。

一方、野党第1党だった民進党は突如分裂し、二つの新党が結成されるなど政党の離合集散が約2週間の短期間で繰り広げられた。「基本政策の一貫性を捨ててまで、生き残りに走る議員たち。その姿に、多くの有権者が不信感を抱いた」(同「朝日」)のは間違いない。

新党は明暗。共産大敗

立憲 最少議席の野党第1党に

野党第1党だった民進党の分裂によって生まれた「希望の党」と「立憲民主党」は明暗が分かれた。

「政権交代をめざす」と明言していた希望の党は、公示前勢力より7議席減らし、50議席にとどまった。

民進党から合流した前議員が平和安全法制の反対など従来の政策を捨てて希望の党に移ったことから、「選挙目当て」との批判が集中。さらに、民進党左派の合流を拒む小池百合子代表の「排除」発言で同党の勢いは急失速した。結果的に、「組織基盤がなく、『一枚看板』の小池氏の人気に依存した新党の構造的な脆さを印象づけた」(23日付「読売」)。

これとは対照的に、希望の党から排除された民進党左派を中心とする立憲民主党は、公示前の15議席から55議席へと大きく伸長した。

ただし、野党第1党としての議席数は、小選挙区比例代表並立制の導入以降の衆院選では最も少なく、「憲法改正に関する考え方をみても完全に一枚岩ではない」(同「日経」)のが実情だ。希望の党と同様、政権を担うに足り得る支持を集めたとは到底言えない。

一方で、立憲民主党に政権批判票の受け皿を奪われた形となった共産党は、公示前の21議席を大幅に下回る12議席と大敗を喫した。

当初、同党が想定していた共産、民進、自由、社民の野党4党による選挙協力が頓挫し、「多くの小選挙区で希望の候補とぶつかったことで、自民党を利する結果となった」(同「読売」)。

日本維新の会は、公示前より3議席少ない11議席にとどまった。連携した希望の党と「消費増税の凍結や『身を切る改革』などの主要政策が重なる」(同「朝日」)ことなどが裏目に出た。

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