コラム「北斗七星」

公明新聞:2017年10月13日(金)付

年を取っても元気な人を「かくしゃくとした」などと言う。中国の後漢時代、ある老将軍が、老齢を理由に出陣を許されなかったため、武装して威勢を誇示し、帝から「矍鑠たるかな、この翁や」と賛嘆された故事による。「矍」は勢いよく動く、「鑠」は光り輝くさまをいう◆わが公明党員には、そのような人のなんと多いことか。先日も、81歳の方が全国の友人に大好きな公明党を語り抜いているとおっしゃっていた。本当に頭が下がる◆超高齢社会が喧伝される当節、「現役世代2人で高齢者1人を支えなければ云々」とかまびすしい。その通りなのだが、若者が苦悶の表情でお年寄りを背負っている風のイラストで説明されると、いい気持ちはしない。荷物じゃないんだから◆「一人の老人が亡くなることは図書館が一つなくなるようなもの」。2002年、アナン元国連事務総長は演説でこう語った。「高齢者は、過去と現在、そして未来を結ぶ仲介者なのです。その知恵と経験は、社会にとってかけがえのない宝です」と。忘れてはいけない観点だと思う◆それは、こうも言えないだろうか。未来を担うのは若者や子どもたちだが、未来は今のお年寄りの知恵や経験を生かしてつくるもので、そのお年寄りが安心して暮らせる社会をつくることが豊かな未来につながるのだと。(中)

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