主張医療的ケア児 地域全体で育む視点が重要

公明新聞:2017年9月19日(火)付

たんの吸引やチューブによる栄養補給などが日常的に欠かせない「医療的ケア児」は、全国に1万7000人いるとされる。医療の進歩により救われる命が増えたこともあって、この10年で2倍近くになった。今、医療的ケア児とその家族を支える取り組みの拡充が求められている。

とりわけ家族の負担軽減を急ぎたい。

医療的ケア児は、保育所や学校など受け入れ先の確保が難しい。医療的ケアができるのは医師や看護師、家族、一定の研修を受けた教員や介護職員に限られているからだ。

受け入れ先がなければ、保護者は働きに出るどころか、十分な休息を取ることさえも容易ではなく、経済的、精神的に追い詰められてしまうことが少なくない。

公明党の推進もあり、支援策は着実に進んでいる。

例えば、医療的ケア児を受け入れる特別支援学校や公立小中学校に自治体が看護師を配置する場合、国がその費用の3分の1を補助する制度がある。保育所や放課後児童クラブへ看護師などを派遣する厚生労働省のモデル事業は、2018年度予算概算要求で拡充された。

しかし、受け入れ側の理解は進んでいないのが現状だ。

「学校に通わせるため、家族が常に同伴し、授業中もずっと付き添うという念書にサインを求められた」。これは、公明党の国会議員が医療的ケア児を持つ保護者から直接聞いたものだ。同様のケースは他にもあろう。

医療的ケア児とその家族に寄り添った受け入れ先をどう拡大するか。

全国医療的ケア児者支援協議会事務局長で、認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事は、医療的ケア児の多くが一般の障がい児であることから、「受け入れ先を確保するためにも、医療的ケア児に重症心身障がい児扱いの報酬単価の加算が必要だ」と訴える。これにより、障がい児向けの放課後デイサービスを行う事業所の経営が安定し、医療的ケア児の受け入れ拡大につながるのではないか。

子どもの健全育成という側面からも、医療的ケア児を保育所や学校をはじめ地域全体で育むという視点が重要であることを忘れてはなるまい。

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