脊髄性筋萎縮症(SMA) 初の治療薬に保険適用

公明新聞:2017年8月27日(日)付

30日から乳児型で今後、対象範囲の拡大も
公明、早期承認をリード

乳児、小児期に多く発症する進行性の難病・脊髄性筋萎縮症(SMA)の初の治療薬「スピンラザ髄注12㎎」(一般名ヌシネルセンナトリウム)が、30日から保険適用される。乳児期に発症するⅠ型が対象となる。同治療薬は公明党が早期承認に尽力。通常12カ月ほど要する医薬品の承認審査が7カ月に短縮され、7月3日に承認されていた。

SMAは体幹や四肢の筋力低下、筋萎縮を起こす病気。発症年齢などにより(1)乳児期に発症するⅠ型(2)乳児期から幼児期に発症するⅡ型―など、Ⅰ~Ⅳ型に分類される。Ⅰ型は重症型とされ、命を救うには多くの例で気管内挿管や気管切開と人工呼吸管理が必要となる。乳児期から小児期に発症するSMAの罹患率は10万人当たり1~2人。

SMAは、国の指定難病と小児慢性特定疾病になっている。保険適用により、治療薬が医療費助成の対象となることで、患者の自己負担額の大幅な抑制が可能となる。

承認審査において厚生労働省は、同治療薬を希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定し、優先的に審査を行った。さらに、Ⅱ型以降でも治療薬が使えるよう審査を進めており、9月1日に開かれる薬事・食品衛生審議会の部会で了承されれば、約1カ月後に承認され、同時に保険適用となる見通しだ。

公明党は、今年1月の参院予算委員会で山本香苗さんが同治療薬の早期承認を主張。6月には参院厚労委員会で再び取り上げたほか、SMA家族の会と共に厚労相と会い、早期承認と保険適用を訴えた。

同会の患者家族は「とても早いタイミングで保険適用され、大変に喜ばしい。引き続き、適用範囲が広がることを期待しています。一日も早く全国の病院で薬の使用環境が整い、治療を求める患者に対して平等に投与されるよう願っています」と語っている。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

新聞の定期購読