「文化芸術立国」へ基本法改正

公明新聞:2017年8月13日(日)付

観光、福祉、教育などにも施策のウイング広げる
誰もが鑑賞できる環境を整備

公明党主導で文化芸術振興基本法が2001年11月に成立してから15年余り。関連予算の拡充などが進む中、国を挙げた取り組みを拡充させ、名称を「文化芸術基本法」に改める法改正が今年6月、全会一致で成立し、施行された。法改正の内容とともに、日本芸能実演家団体協議会(芸団協)の野村萬会長のコメントを紹介する。

今回の法改正の内容は、公明党など超党派の議員連盟で取りまとめられた。「文化芸術立国」実現へ、文化芸術の振興にとどまらず、観光やまちづくり、国際交流、福祉、教育、産業など関連する分野の施策も法律の範囲に取り込み、施策のウイングを広げていく取り組みをさらに強化することが主な狙い。名称も「文化芸術基本法」と改めた。

政府の体制を強化するため、文部科学省のほか、内閣府、総務、外務、厚生労働、農林水産、経済産業、国土交通の各府省などによる「文化芸術推進会議」を新設した。

文化芸術団体について「自主的かつ主体的に、文化芸術活動の充実を図る」「文化芸術の継承、発展及び創造に積極的な役割を果たす」とする条項を新たに設け、文化芸術団体と国や地方自治体、民間事業者などは「相互に連携を図りながら協働するよう努めなければならない」と規定。「推進基本計画」の策定を国に義務付けるとともに、地方自治体には努力義務とした。

公明党の強い主張で、基本理念には「年齢、障害の有無又は経済的な状況」にかかわらず、等しく文化芸術の鑑賞ができる環境整備や、児童・生徒らに対する文化芸術に関する教育の重要性が盛り込まれた。

議連で法改正の検討に携わった党文化芸術振興会議の浮島智子事務局長(衆院議員)は「今回の法改正を契機に、地方議員とも連携しながら、子どもたちの心の豊かさを育むための体験事業などをさらに進め、国や自治体の取り組みをリードしていきたい」と語っている。

公明党は「推進の要」
日本芸能実演家団体協議会 野村萬会長

文化芸術振興基本法が、「基本法」として生まれ変わりました。スケールが大きく、背骨も太く、重量感もあり、まさに文化芸術立国に対応していく骨組みが出来上がったと言えます。

熱のこもった、真摯な討議が行われ、国会において全会一致で可決されたことと併せ、充実した成果を得たことを、高く評価しています。この成果が、私たちの求める「文化省創設」実現に向けた大事な契機となることを、ひたすら切望してやみません。 

このたびの改正はもとより、文化芸術の振興に当たっては、公明党が大きな役割を果たしてくださいました。私たちは「基本法」を強力なバネに運動を推し進めます。公明党には、推進の要として、ますますのご活躍を心より期待しています。

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