主張特殊詐欺 手口は巧妙化。防止策さらに

公明新聞:2017年8月9日(水)付

国民の財産がだまし取られないよう、対策を一層強化する必要がある。

警察庁の調べによると、振り込め詐欺など特殊詐欺の全国の発生件数が、6月までの上半期だけで8863件に上った。前年同期より約38%増加しており、現在の推計方式となった2010年以降では最多となった。

被害者の多くは65歳以上の高齢者である。日中に一人で在宅する人が多いため、狙われやすいという。用心を怠らないようにしたい。

犯行の手口は一段と巧妙になっている。子や孫をかたった「オレオレ詐欺」はよく知られているが、最近は、老後の不安をあおった医療費などの還付を装う「還付金詐欺」、株の購入費や有料サイトの代金を払わせる「架空請求詐欺」が急増している。高齢者の心の隙を突いた犯行といえよう。

中でも「なりすまし詐欺」に注意したい。金融機関や百貨店名を名乗り、「キャッシュカードが偽造されているのでカードを取りに行きます」と電話をかけてくる手口だ。これを信じた高齢者から暗証番号を聞き出し、バイク便を送ってカードを受け取り、現金を引き出す。銀行などに対する高齢者の信頼感を悪用した犯行である。

特殊詐欺は新しい手口が次々と生まれている。国や自治体は、国民への情報提供にもっと努めなければならない。

被害を未然に防ぐ対策も欠かせない。

警察庁は5月から、警察が集めた犯行グループの電話番号に自動で繰り返し電話をかけ続け、犯行グループが出ると、警察への出頭を求める音声を流すシステムを導入した。犯行グループは電話を使えなくなり、犯行阻止に効果が出ているという。

また、電話がかかってくると、通話の内容を録音すると告げる防犯機能付きの電話機を、高齢者などに貸し出す自治体も出てきた。こうした“撃退機器”の導入は、被害防止への一助になろう。

金融機関の果たす役割も大きい。預金を小切手化することで取引に時間がかかるようにしたり、長く使っていないキャッシュカードでは振り込みができないようにする取り組みなど、水際対策の強化も忘れてはならない。

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