九州北部豪雨3週間 公明、被災者支援に全力

公明新聞:2017年7月26日(水)付

豪雨被害を受けた住民を励ます山口代表=18日 福岡・東峰村豪雨被害を受けた住民を励ます山口代表(左)=18日 福岡・東峰村

被災地で奮闘する公明議員手記

現場の声聞き、激励続ける

一日も早い復旧へ政府に対応要請

被害に見舞われた住民を激励する濵地氏ら=7日 福岡・添田町福岡、大分両県に甚大な被害をもたらした「九州北部豪雨」。記録的な大雨は、河川の氾濫や土砂災害を引き起こし、家屋や道路、橋梁、農地などに深い爪痕を残した。発生から3週間。被災者に寄り添う公明党の姿を追った。

「短時間でここまで降るとは」。今月5日の猛烈な雨を受け、公明党福岡、大分両県本部は同日午後、災害対策本部を設置。福岡県朝倉市や大分県日田市などでは、地元議員が安否確認や被害の把握を続けた。

翌6日、断続的に雨が降る中、党九州方面本部所属の国会議員が被災地に。濵地雅一党福岡県本部代表(衆院議員)は朝倉市に急行し、被災者を激励。「国、県、市の支援対策が迅速に進むよう働き掛けていきます」と力強く語った。

住民から被災状況を聞く江田、秋野の両氏ら=7日 大分・日田市大分県でも同日、地元県議らが日田市へ。同市は5年前の九州北部豪雨でも被害を受けた地域。県議らは深刻な事態に肩を落とす被災者を見舞った。

「お体の具合は大丈夫ですか」。7日には江田康幸衆院議員、秋野公造参院議員が大分県中津市、日田市で被災者の激励に奔走。秋野氏はその後、福岡県東峰村に入り、渋谷博昭村長から要望を聞いた。濵地氏も福岡県添田町の避難所に向かい、生活再建に全力を挙げる考えを伝えた。

被災地での調査を元に、8日には濵地氏、高瀬弘美参院議員、党福岡県議団(森下博司団長)が、小川洋同県知事に緊急要望を実施。9日には石井啓一国土交通相(公明党)が福岡、大分両県の被災地を視察し、朝倉市や東峰村、日田市の首長から自治体の財政負担を軽減する「激甚災害」の早期指定の要請を受けた。11日にも吉田宣弘衆院議員が東峰村で避難所生活を続ける人たちを激励した。

「どんなことでも言ってくださいね」。18日、山口那津男代表が朝倉市と東峰村を訪問。被災地の住民を励まし、氾濫した河川や農業被害などを調査した。地元の両首長とも会い、新たな災害を発生させない改良復旧や合併特例債の期限延長について意見交換した。

20日には、党復興・防災部会と濵地氏、党大分県本部の河野成司代表(県議)らが、衆院第2議員会館で現地が必要とする対策を政府に要請。25日には河野義博参院議員が、参院予算委員会の閉会中審査で質問に立ち、被災地への中長期的な支援を求めた。

激甚災害の指定発表や罹災証明書の発行、仮設住宅の建設開始など、復旧・復興への取り組みは緒に就いたばかり。被災地に一日も早く元の暮らしが戻るよう、公明党はこれからも、全力で被災者を支え続ける。

住民目線の行動に感謝

福岡・東峰村 渋谷博昭村長

今回の記録的豪雨を受けて、公明党の議員には何度も村に足を運んでいただき、本当に感謝している。

発災から2日後の7日夕方には、大分県日田市からの通行が可能になった直後に、公明党が政党として最初に村を訪問してくれ、迅速な対応に驚いた。

何より印象的だったのは、18日に山口那津男代表が訪問された際、とても温かく村の住民を励ましてくれたこと。庶民の目線で気軽に声を掛け、真剣に話を聞いてくれた。こういった住民目線の行動は、さすが公明党だと感心した。

豪雨から3週間を迎えた今でも、インフラの復旧など課題は山積している。田んぼや家屋を失った人々が希望を持てるように、目に見える復旧・復興を進めていきたい。国民に一番近い目線を持つ公明党に、今後も期待している。

党員と連携し、物資届ける

福岡・朝倉市 村上百合子議員

今回の豪雨の勢いはすさまじく、5日の午後3時ごろには屋外が辺り一面真っ白になり、何も見えないほどでした。移動も危険な状況だったため、一時待機していた私のもとには、「家族が孤立しているようだ」「自宅が浸水している」といった連絡が相次ぎ、市の災害対策本部と連携を取りながら、安否確認や被害の把握に努めました。

雨が小康状態になってから被災者の元へ急行。避難所や家屋被害の現場を回って、住民を励まし続けました。また、党員の方々と協力し、各避難所に支援物資を届けました。

その後、公明党の国会・県会議員と被災地を調査する中で、家屋や農作物への深刻な被害から「生活再建が見通せない」との被災者の声が数多く寄せられました。元の生活を取り戻すには国と自治体の一体的な支援が必要となるだけに、公明党の議員ネットワークの力で後押しする決意です。

朝倉市では、住民が防災無線を聞き取れず、避難が遅れるなど、課題も浮き彫りになりました。今後は、議会質問などを通じて、市の防災体制の強化や住民の防災意識の向上にも全力で取り組んでいきます。

避難者の移動に巡回バス

大分・日田市 松野勝美議員

今月5日、大雨警報が出てすぐに地域を回りましたが、近くの川が氾濫し、車での通行が不可能なほどに、道路は冠水していました。5年前の九州北部豪雨を上回る被害の状況に恐怖を覚えながらも、近隣住民の家を一軒一軒回り、状況を確認しました。

被災当時から、多くの住民の声に耳を傾けてきました。現在、市内の旅館組合が避難者のために温泉を無料で開放してくれているのですが、避難者の中には高齢者が多く、施設までの交通手段がほしいという要望を聞きました。すぐに市に対策を求め、避難所と観光施設を結ぶ巡回バスが運行されることになりました。

被災直後は、瓦礫やごみの撤去など緊急の要望が多かったのですが、豪雨から3週間がたち、住宅や農地の問題など、住民は今後の暮らしに不安を募らせています。

また、相談の内容も多岐にわたっており、一つ一つの課題解決に向け、日々全力で取り組んでいます。これからも、復旧・復興に向け、住民に寄り添い続けてまいります。

観光、農業の被害必ず克服

日田市 坂本茂議員

私の担当地域には、今回の豪雨で一時、多くの住民が孤立した小野地区があります。通行止めが解除となり、同地区の状況を確認しましたが、土砂崩れや河川の氾濫で道路は崩落し、土砂によってせき止められた川が大きな湖のようになっていました。元々は、蛍の名所としても知られ、自然豊かな同地域の変わり果てた姿に、豪雨災害の恐ろしさを痛感しました。

また、重要無形文化財に指定されている「小鹿田焼」が有名な小鹿田地区なども被害が深刻で、観光産業への影響を心配する声も上がっています。実際に、豪雨からの1週間で市内の宿泊施設では約8000件のキャンセルがあり、これからの観光シーズンに向け、不安が高まっています。

農地などの被害では、市が復旧費用の一部を負担しますが、高齢者のみの農家では、営農を断念せざるを得ない、という声も聞かれます。被害を克服し、住民が元の生活や仕事に戻れるよう、国や県とも協力しながら、復旧・復興に全力で取り組んでいく決意です。

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