高齢、長寿社会へ活力

公明新聞:2017年7月26日(水)付

今後の政治課題などについて講演する井上幹事長=25日 都内今後の政治課題などについて講演する井上幹事長=25日 都内

「働き方改革」など進める
政治の安定、背景に公明の現場力
内閣支持率 実績重ね回復を
都内で井上幹事長が講演

公明党の井上義久幹事長は25日、都内で開かれた共同通信社の「きさらぎ会東京7月例会」で「自公連立政権の課題」をテーマに講演し、質問に答えた。井上幹事長は、内政の最重要課題として、「深刻なのは人口減少のスピード以上に、高齢化、長寿化が早いことだ」と指摘。今後、生産年齢人口(15~64歳)が急激に減っていくものの、政府・与党が進める「働き方改革」や「総活躍社会」などの課題に一つ一つ成果を上げることで、「将来も社会の活力や豊かさを次の世代にバトンタッチできる」と力説した。

井上幹事長は、人口減少と高齢化、長寿化が同時進行する日本で求められるのは、これらの課題にリアリティー(現実感)を持って取り組む政治だと指摘。100歳以上の高齢者が今の約7万人から30年後には50万人を超えると推計される将来の日本社会を直視し、ブレずに政策実現を進めるべきだと述べ、そのためにも政治の安定が重要だと強調した。

これを踏まえた今後の政策の方向性については、「人財大国」としての日本の強みを生かし、ものづくりの高い技術を持った高齢者や、家庭に入った女性に活躍の場を提供することが、日本の活力を取り戻すカギになると語った。

発足から4年半が過ぎた自公連立政権については、「最大の成果は政治が安定し、安定した政権運営ができることだ」と力説。経済のグローバル化が進む中、世界の成長を取り込むための通商政策を推進するとともに、先行き不透明な安全保障環境などを見据えた「地球儀を俯瞰する外交」ができるのも、政治が安定しているからだと強調した。

また、政治の安定に関して、「単に議員数が多数を占めているからではなく、幅広い国民の支持、理解があるかが最も重要な決め手になる」と指摘。公明党の役割について、全国約3000人の議員ネットワークを生かし、先日の秋田県の豪雨災害などで国会議員と地方議員が連携して対応に当たっていることに触れ、「国民が何を望み、考えているか。常に現場で起きていることが集約され、それが政治に反映されており、幅広い民意が政策決定に生かされている」と強調した。

一方、直近の各種マスコミの世論調査で内閣支持率が下落傾向であることに関して、安倍晋三首相に対する信頼感が下がってきていることも大きいため、国民の信頼回復に向けて、「じっくりと構えて、首相自身が国民の疑問に対して説明責任を果たす。より丁寧に説明していく。そして政策の実績を一つ一つ積み上げ、結果を出すことで信頼回復の可能性は高まる。公明党としても協力したい」と語った。

学校法人「加計学園」の国家戦略特区を活用した獣医学部新設については、「政府の特区認定の手続きに瑕疵はない」との考えを示し、鳥インフルエンザやBSE(牛海綿状脳症)などの感染対策を担う獣医師養成の必要性を丁寧に説明していくべきだと力説した。

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