きょう「テレワーク・デイ」

公明新聞:2017年7月24日(月)付

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働き方改革の実現へ

インターネットなど情報通信技術(ICT)を活用して、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を可能にするテレワーク。政府は2020年東京五輪の開会式が行われる7月24日を今年から「テレワーク・デイ」と位置付け、普及を推進する。

導入企業の増加めざす

育児・介護と仕事の両立に重要

テレワークは、ギリシャ語で「遠く離れた」という意味の“tele”と、英語で「働く」という意味の“work”を合わせた言葉だ。

テレワークのイメージICTを活用して仕事で使うパソコンのネットワーク環境を整備し、自宅やサテライトオフィス(本社から離れた場所にある職場)、移動中の新幹線の中などでも仕事をできるようにすることである。

これにより、出勤せずに在宅のまま働くことができ、外出先から職場に戻る必要もなくなるので、通勤時の混雑を回避したり、移動に要する時間を大幅に削減できる。育児や介護と仕事とを両立させる働き方の可能性も広がる。

そのため、公明党は、テレワークの普及を進めるよう政府に訴えている。こうした主張を受け、政府は3月に公表した「働き方改革実行計画」の柱の一つとして「柔軟な働き方がしやすい環境整備」を掲げ、その実現手段としてテレワークを推進する方針を打ち出している。

特に、3年後の東京五輪開会式の当日には、外国からの参加選手や、訪日外国人観光客の移動で首都圏の大混雑が見込まれる。

従って、政府は今年から7月24日をテレワーク・デイとすることによりテレワークの定着化を進め、企業で働く従業員などに出勤を控えてもらうことで交通渋滞を緩和できる環境づくりを今から進めると同時に、働き方改革の実現につなげる狙いがある。

実際、12年のロンドン五輪では、同市交通局がテレワークの実施を呼び掛けたのを機に、多くの企業が導入した。

その結果、五輪開催中の発生が予測されていた交通渋滞を避けることができたことに加え、仕事をしながら育児や介護などもできる「ワーク・ライフ・バランス」(仕事と生活の調和)を実現する取り組みも大きく進んだとの成果が報告されている。

927社・団体が参加

東京五輪の混雑緩和も期待

テレワーク・デイには927社・団体(23日現在。一部重複あり)が参加し、一斉にテレワークを実施する。

例えば、NECネッツエスアイは役員会を初めてテレワークで行い、ほぼ半数が自宅など会議室外から参加する。

全日本空輸は夏休み中の子どもと遊べるよう、在宅勤務中に数時間の業務中断を認める。

積水ハウスは東京郊外の展示場をサテライトオフィスにし、その近辺に暮らす従業員とビデオ会議などでやり取りできるようにする。

NTTデータや日本マイクロソフトなどは2000人以上の従業員がテレワークで働く大規模参加となる。

厚生労働省がまとめた16年の通信利用動向調査によると、テレワークを導入している企業の割合は増加傾向にあるとしているものの、わずか13.3%にとどまる。導入を予定している企業の割合(3.3%)を合わせても16.6%と、まだまだ少ない現状であるだけに、テレワーク・デイをきっかけに、導入企業の増加が期待されている。

東京都は4月から、自宅で働く在宅型テレワークを約30の職場で試験的に導入。育児や介護中の職員を優先対象にしている。9月には対象の職場を広げる方針だ。官公庁や自治体などが率先してテレワークを導入し、範を示すことも求められている。

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