テロ等準備罪法 成立までの攻防

公明新聞:2017年6月16日(金)付

15日成立した改正組織犯罪処罰法(テロ等準備罪法)について、参院本会議での法案採決のあり方などを巡り、さまざまな報道がされています。そこで示された疑問に対し、Q&A形式で解説します。

Q 委員会採決の省略は乱暴だ

A 民・共の“審議拒否”の結果

Q なぜ参院法務委員会での採決を省略するような手続きを行ったのか。乱暴ではないかとの批判も出ているが。

A 参院法務委(秋野公造委員長=公明党)は、野党の質問機会を十分に確保しながら、丁寧に審議を進めてきました。

しかし、民進、共産の野党両党は最初から徹底して「廃案ありき」に固執しており、13日には金田勝年法相の問責決議案を提出し、委員会審議を無理矢理ストップ。「法相の下で審議することは不可能」とまで言い切り、事実上“審議拒否”の強硬姿勢に。

会期が迫る中、これ以上、委員会質疑を重ねても、混乱なく採決を行う状況は望めませんでした。

このため、委員会での採決を省略して、本会議で採決を行う場合に用いられる「中間報告」という手続きを取りました。

Q 「中間報告」は“禁じ手”では

A 参院で18回実施、異例ではない

Q 「中間報告」の上、採決という手続きは、これまで行われなかった“禁じ手”ではないのか。

A 「中間報告」は、国会法で「特に必要があるときに求められる」と定められています。過去にも、参院で18回行われ、例えば金融機能強化法(2004年)、改正臓器移植法(09年)など本会議で中間報告、採決を行っています。決して異例なことではなく、“禁じ手”でもありません。

中間報告の後、民進、共産は本会議で質問し、それに大臣が答える正常な質疑も行っています。議論を封じて「強行採決」を行ったという批判も当たりません。

18日の会期末を前に、民進、共産などは内閣不信任決議案をはじめ、閣僚の不信任・問責決議案を乱発し、あらゆる手段を使って採決を阻止し続けました。こうした状況の中で、法案を成立させるために、与党は国会法に則った「中間報告」という方法で可決、成立を期しました。

Q 公明党が言い出したのか

A 違う。自民提案まで関知せず

Q
中間報告は“公明党が言い出した”“公明党への配慮”などとも報じられているが。

A まず、公明党が本会議での中間報告を提案した事実はありません。実際、参院議院運営委員会で自民党から中間報告の提案を聞くまで、公明党はまったく関知していませんでした。

このため、自民党から提案を聞いた際は、即答せず、公明党の全参院議員が参加する会合で対応を協議。その結果、会期内に法案を成立させるには、中間報告での対応もやむを得ないと判断しました。

また、参院法務委員長を公明党が務めているために、公明党への配慮から委員会採決を省略する「中間報告」の形になったかのような報道がありますが、間違いです。

民進、共産が不信任・問責決議案を乱発し、廃案ありきの審議拒否を続けた結果、委員会採決を省略し本会議で質疑・採決をすることになりました。

Q 「加計学園」追及逃れなのか

A 無関係。再調査受け集中審議

Q 強引に会期内に成立させたのは、政府・与党が「加計学園問題」で追及されるのを避けるためだと批判されている。

A 中間報告を行ってテロ等準備罪法を早期成立させたことと加計学園を巡る問題はまったく関係がありません。

加計学園の獣医学部新設に関する文書については、新たな証言などが出たことを踏まえ、安倍晋三首相が文部科学省に再調査を指示。公明党は一貫して再調査を迅速に行うよう求め、文科省は15日、再調査の結果を発表しました。内閣府も16日に調査結果を公表する方針です。

国会では、16日に参院予算委員会で首相出席の集中審議が行われます。ここでは加計学園を巡る問題もテーマになります。

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