海洋ごみ汚染防げ
公明新聞:2017年5月19日(金)付
マイクロプラスチックなど深刻 処理計画策定を提言
公明党の海ごみ対策推進委員会(委員長=江田康幸衆院議員)と環境部会(部会長=同)は17日、環境省で山本公一環境相に対し、海岸漂着物の削減目標を定める国の基本計画策定などを柱とする「海洋ごみの処理推進を求める提言」を申し入れた。
海洋ごみによる汚染が懸念されていることを踏まえ、党対策委と部会はこれまで、大量のごみが海岸に漂着する自治体や専門家などからヒアリングを重ね、提言を取りまとめた。この中で海洋ごみ抑制に向け、プラスチックの過剰な消費構造を改める環境教育や啓発活動を国が進めるよう要望。また、都道府県が海岸漂着物の処理計画を策定しているものの、海流などの影響で多くの漂着物が集中し処理できない地域があることから、国が基本計画を策定し、対応すべきと求めた。
特に深刻なのが、河川などから海に流れ出たプラスチックごみが紫外線などで砕かれ、5ミリ以下のかけらとなって漂流する「マイクロプラスチック」問題。汚染物質が吸着したマイクロプラスチックを食べた魚介類を通し、人体に有害物質が蓄積される可能性が指摘されている一方、マイクロプラスチック自体の回収は困難になっているからだ。
提言ではマイクロプラスチックについて、洗顔料や歯磨き粉などで使われるプラスチック粒子「マイクロビーズ」が家庭から海に流出している状況から使用規制を挙げた。
このほか、アジア太平洋地域のごみ削減の「国際協力基金」創設も提案した。
席上、江田委員長は「海洋ごみは大変な状況だ。国が広域的な対策を実行すべき」と訴えた。山本環境相は「海洋ごみ発生抑制を進めるため、住民の意識改革を進めたい」と述べた。
一方、党対策委と部会は18日、国土交通省で石井啓一国交相(公明党)に会い、プラスチックごみの多くが河川を経由して海域に流出している現状を踏まえ、提言を提出。河川ごみ回収・処理に関わる財政支援や、ごみ回収・処理を行う責任が河川管理者にあることを明確化するよう求めた。石井国交相は検討する考えを示した。
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