主張韓国新大統領 対北朝鮮で関係国と連携急げ

公明新聞:2017年5月11日(木)付

朝鮮半島情勢がかつてないほど緊迫している。新政権には、核・ミサイル開発を強行する北朝鮮への対応をめぐり、関係国との連携を急いでほしい。

9日に投開票された韓国大統領選で、革新系の最大政党「共に民主党」の文在寅前代表が勝利し、10日、第19代大統領に就任した。保守政権から革新政権への交代は、朴槿恵前大統領を罷免に追い込んだ親友による国政介入疑惑や財閥との癒着などに対する韓国有権者の強い怒りの表れといえよう。

新政権は早速、内政・外交ともに難題と向き合わなければならない。とりわけ北朝鮮への対応は一刻の猶予も許されない状況にある。

事実上のトップ不在という韓国政治の混乱を突くように、今年に入り北朝鮮は弾道ミサイルの発射実験を繰り返してきた。2月の日米首脳会談や4月の米中首脳会談をけん制するかのようなタイミングでの発射実験もあり、挑発的な行動が続いている。

こうした中、トランプ米大統領は「大規模な衝突が起きる可能性がある」と警告し、中国も北朝鮮からの石炭の輸入を停止するなど締め付けを強める。これに対し北朝鮮は「米国に同調する卑劣な行為」などと友好国の中国にさえ批判の矛先を向け、態度を硬化させている。

出口の見えないまま緊張が増す一方だが、文氏の大統領就任が問題解決の転機となるかは予断を許さない。

北朝鮮に融和的だった盧武鉉政権で秘書室長を務めた文氏は、選挙戦で対話重視の姿勢を強調しており、「条件が整えば訪朝する」とも述べた。今後の取り組みを注視したい。

内政面では政権基盤の安定化が急務だ。文氏を支える「共に民主党」の国会での議席数は過半数に及ばない。野党との協力関係をどう築くか、国内経済の再建、雇用問題の打開と併せ、文氏の手腕が問われる。

文氏は新首相に知日派の李洛淵氏を指名したが、対日関係で気掛かりなのは、慰安婦問題をめぐる2015年12月の日韓合意について、再交渉が必要との考えを示している点だ。日本政府には、日韓合意の意義を粘り強く説く努力が求められる。

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