起業の夢 支援

公明新聞:2017年5月9日(火)付

施設を視察する党福岡市議団のメンバーら施設を視察する党福岡市議団のメンバーら

フクオカ グロースネクスト開設
廃校をオフィスや交流の場に
専門スタッフが常駐、エンジニアなども育成
福岡市

福岡市は4月12日、創業間もない企業や起業家、新たなビジネスに挑戦する経営者などを支援する「FUKUOKA growth next(グロースネクスト)」を開設した。廃校となった小学校を企業のオフィスや交流の場として活用し、新たなビジネス拠点として注目を集めている。公明党市議団(黒子秀勇樹団長)はこのほど、同施設を視察し、担当者から話を聞いた。

福岡市は、2012年に「スタートアップ(起業)都市ふくおか」を宣言。市内3カ所にインキュベート(創業者支援)施設を整備するなど、創業、起業への支援に力を入れている。また、14年10月から始まった創業を志す人をサポートするスタートアップカフェには、今年3月までに4000件を超える相談が寄せられ、約100社の創業が実現、NPO法人の設立などにもつながっている。

グロースネクストは、民間企業と共同で運営。その名称には、同市で高まっているスタートアップの機運を、より強固なものにして「次のステージへ成長させる」という意味が込められている。

教室を利用したオフィス施設は、14年に廃校となった同市立大名小学校を活用。教室を利用した小区画のオフィスや、個人の起業家などが利用するシェアオフィス、イベントスペースなどを整備。また、スタートアップカフェも設置され、コンシェルジュと呼ばれる専門のスタッフが起業についての相談に対応している。18年秋までの期間限定で運営される。

今後は、企業間の交流イベントを開催するほか、エンジニアやデザイナーの育成に向けた講座などを行っていく。コンシェルジュを務める佐藤賢一郎さんは「相談が気軽にでき、専門家の意見も聞けるので、起業に対する裾野が広がっている」と語る。

グロースネクストには、これまで市が行ってきた起業への取り組みや支援施設の機能が集約され、市創業・大学連携課の富田雅志課長は「これまでにないような起業、人材交流の拠点になる」と太鼓判を押す。

物流ソフトウエアの開発などを行う株式会社「New Revo . 」の代表取締役・長浜佑樹さん(24)は、スタートアップカフェを利用し、起業の夢を実現させた一人。長浜さんは「福岡市の取り組みが起業をめざす人たちの大きな力になっている」と語る。現在は、同施設のシェアオフィスなどを利用し、事業の拡大をめざしている。

公明党市議団はこれまで、議会質問などを通し、同市の創業支援の取り組みを推進してきた。視察後、黒子団長らは「今後も、全国をけん引する起業への取り組みを応援し、雇用創出、地域経済の発展を進めていきたい」と述べていた。

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