主張学校給食の全国調査 無償化の論議、深める契機に

公明新聞:2017年4月21日(金)付

育ち盛りの子どもが家庭の事情に関係なく、十分な栄養を取れる環境を整えたい。

文部科学省は、公立小中学校の学校給食の無償化に関する全国調査を今年度、初めて行う方針を明らかにした。公明党の山本香苗参院議員の質問に答えたものだ。

学校給食の無償化は、58自治体が小中学校、3自治体が小学校で実施している。まだ少ないが、増加傾向にある。これらの自治体が無償化に踏み切った理由や子どもへの影響などについて調査・分析することは、まだ無償化していない自治体にとって貴重な資料となるに違いない。

文科省が調査に乗り出す背景には、「食のセーフティーネット(安全網)」としての給食に注目が集まっていることがある。

実際、家庭の事情により、自宅で十分な食事を与えられていない子どもがいる。低所得世帯の子どもほど朝食を取らない割合が高く、野菜を食べる機会が少ないという調査もある。

家庭環境による“栄養格差”をどう改善するかという点で、学校給食の果たす役割は大きいといえよう。

その上で、なぜ無償化が論議されているのか。

理由の一つとして、“子どもの貧困”がある。給食費の平均は小学校で月額約4300円、中学校で約4900円だ。低所得家庭ほど負担感は強い。文科省の調査では給食費未払いの原因の約3割は保護者の経済的な理由による。

生活保護や就学援助の制度を利用する方法もあるが、申請をためらったり、制度そのものを知らないケースも少なくない。全国調査で未払い世帯の実態も掴んでほしい。

一方、低所得世帯に絞って無償化するという考え方はあるが、「貧困のレッテル張り」につながり、子どもの心を傷つけかねないとの指摘もある。

こうした観点から、保護者の所得にかかわらず給食費を無償化することの必要性が論議されるようになったことは十分に理解できよう。

無償化の実施に当たっては財源の確保をはじめ解決すべき問題も多い。この点も含め、今後行われる全国調査を学校給食無償化の論議を深める契機としたい。

 

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