「もったいない」を「ありがとう」に!

公明新聞:2017年4月15日(土)付

市環境学習センターを訪れ、食品が積まれたスペースで話を聞く三輪市議市環境学習センターを訪れ、食品が積まれたスペースで話を聞く三輪市議(左)

「フードドライブ」の拠点開設
食品ロス減らし福祉利用
名古屋市

食品ロスを減らし、「もったいない」を「ありがとう」に―。家庭などで余った食品を提供する取り組み「フードドライブ」が、名古屋市の環境学習センター「エコパルなごや」で3月7日から同12日までプレオープンし好評を博した。5月中旬から同センターでの本格運用が予定されている。推進した公明党の三輪芳裕市議はこのほど、同センターを訪れ、担当者から話を聞いた。

5月から本格運用 寄贈品を生活困窮者へ

今回のフードドライブで取り扱ったのは生鮮食品や冷蔵・冷凍食品以外で未開封のもの。6日間で87人が訪れ、缶詰やレトルト食品、調味料など、約300キロ分の食品が持ち込まれた。重量ベースでは、米、調味料、缶詰が多く、認定NPO法人「セカンドハーベスト名古屋」を通じて、生活困窮者や福祉施設などに無料で届けられる。

セカンドハーベスト名古屋は、2009年から本格的に活動している。14年度からは、名古屋市社会福祉協議会などと連携し、地域で孤立した「個人」などへの支援を開始。区役所や自立支援窓口を訪れた人が市側から食料支援が必要と判断されると、その世帯ごとに年齢、家族構成などに応じた食品の詰め合わせ(12キロ程度)を、各窓口へ届けている。16年は、市内の約600世帯に884箱の食品パックを提供した。

中には、「3日間、何も口にしておらず、つらい思いをしていました」「お米が1回分あるかないかだったため、本当に助かりました」などの声も寄せられたという。

市環境局ごみ減量部・資源化推進室の谷口由洋室長は、今回のプレオープンで実施されたアンケートを紹介し、実施予定のフードドライブを「利用する」「条件が合えば利用する」が9割だったと三輪市議に説明。市環境学習センターの小木原吏香主幹は「毎年、センターには1万人の子どもたちが来場するため、ごみの問題や『もったいない』の精神を学ぶ機会になれば」と語っていた。

公明が推進


これまでセカンドハーベスト名古屋の視察などを通し、生活困窮者の実情を知った三輪市議は昨年11月定例会で、フードドライブの取り組みは食品ロス対策だけでなく、生活困窮者の自立支援に果たす役割も大きいと強調。市が後押しし、決まった日に食品を持ち込める「拠点」を設け、活動を推進すべきだと主張していた。

三輪市議は「今後、開催日時や拠点への距離などに配慮し、食料品を持ち込む人と受け取る人が共に喜んでもらえる体制を構築していく」と決意を述べた。

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