農家の収入保険創設へ

公明新聞:2017年4月7日(金)付

価格下落に備え安全網

収入保険制度の仕組み農作物の価格下落などで農家の収入が減少する事態に備える「収入保険」の創設を盛り込んだ農業災害補償法改正案が今国会に提出されている。収入保険は公明党が農業経営安定対策として提案してきた制度で、「農業競争力強化プログラム」(昨年11月策定)の中で農業改革の柱の一つに位置付けられた。今国会で改正案が成立すれば2019年産の農産物から実施される。

収入保険は、自然災害による収量減少や、豊作に伴う農作物の価格下落などが原因で農家の収入が減少した際、国と農家が拠出する保険金と積立金から一定額を補てんする仕組み。全ての農産物を対象品目とし、既存のセーフティーネット(安全網)がない野菜や果樹などもカバーする。加入できるのは、青色申告を行い、経営管理を適切に実施する農業者(個人と法人)。青色申告の実績に関しては5年以上を原則とするが、1年分の実績があれば加入できるようになっており、「簡易な方式」による青色申告でも要件を満たすことにした。

収入保険の財源は、保険方式(保険料掛け捨て)と積み立て方式(繰り越し可能)を併用し、保険料の50%と積立金の75%は国庫補助で賄う。また、同じく国費が使われている現行の農業共済や収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)など類似制度との重複を避ける観点から「選択加入」とした。

収入保険制度の補償内容補償内容に関しては、過去5年間の平均収入を基準収入として、その8割台を確保できる仕組みを設計。補償限度額と支払率(9割が上限)は農業者が加入時に複数の選択肢から選ぶことができる。例えば、補償限度額を基準収入の9割に設定した場合、その金額より当年の収入が下回れば、支払率に応じた補てん金が支払われる。生産規模拡大などに取り組む場合は、基準収入を上方修正するなど弾力的に対応していく。

今国会で法案成立後 19年産からスタート

公明提案、粘り強く推進

公明党は、農家の安定的な所得確保を農業政策の柱に据え、いち早く収入保険制度の創設を提唱してきた。まずセーフティーネットのない野菜や果樹、花きを対象に導入するよう2010年の重点政策に掲げて以降、国会質問で積極的に訴えた結果、政府は14年度から収入保険制度の導入に向けた調査・検討を開始した。

昨年11月に与党が「農業競争力強化プログラム」を取りまとめた際は、公明党が収入保険に関する議論をリード。現行の農業災害補償制度では、対象が特定の品目に絞られ、しかも自然災害による収量減少に限定されていることを踏まえ、収入保険の対象品目の拡大や加入要件の緩和などを主張した。また、農業者が使いやすい仕組みになるよう訴え、これらを制度設計に反映させた。

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