水素社会の構築へ

公明新聞:2017年4月6日(木)付

水素エネルギーによるドローンの飛行を操作する党鳥取県議団水素エネルギーによるドローンの飛行を操作する党鳥取県議団(左側3人)

すいそ学びうむ(学習館)が完成 5月オープン予定
持続可能な暮らし提案
鳥取県

水素社会の構築に取り組む鳥取県はこのほど、水素エネルギーの実証(環境教育)拠点「鳥取すいそ学びうむ(とっとり水素学習館)」を鳥取市内に完成させた。水素を製造する「スマート水素ステーション」(SHS)をはじめ、水素で電力や給湯を賄う「スマートハウス」、水素で走る燃料電池車(FCV)などを一体的に整備した全国初の施設。テストを行った上で5月中のオープンをめざしている。

供給施設、省エネ住宅、燃料電池車など

全国初 一体型の実証拠点

同学習館の整備は、県と鳥取ガス㈱(鳥取市)、積水ハウス㈱(大阪市)、本田技研工業㈱(東京都)の4者による共同プロジェクト。水素エネルギーを利活用した省エネ・創エネによる“持続可能な暮らし”を提案し、県内外へ情報発信する。

5月にオープン予定の「鳥取すいそ学びうむ」敷地内には、SHSと太陽光発電パネルを設置し、太陽光で発電した電力を使って水を電気分解して水素を製造。FCVの燃料として供給する。このFCVは、一般家庭7日分の電力を賄う能力を持ち、非常用電源として、FCVから同じ敷地内にあるスマートハウスに電力供給を行うこともできる。

このほか、環境教育拠点の機能として、水素社会について映像などで学べるエリアを設置。また、自転車をこいで水素を製造し、その水素を活用した電力で小型無人機「ドローン」を飛ばす体験もできる。

再生可能エネルギーの普及に力を入れる県は、二酸化炭素を排出しない水素エネルギーを次世代のクリーンエネルギーとして着目。2016年3月に「県水素エネルギー推進ビジョン」を策定し、30年までの長期目標として、FCVの県内普及台数4400台(うちバス10台)やSHS10基などの整備を掲げている。

一方、寒冷地のため、水素を発生させる水が凍りやすいなどの課題がある。そのため、水温が5度を下回るとヒーターが自動的に作動するようになっている。県環境立県推進課の足立浩司課長補佐は「こうした不利な条件下でも、水素エネルギーの利活用ができることを実証していきたい」と語っていた。

公明が後押し


公明党県議団(銀杏泰利団長)はこれまで、予算要望を通じて水素社会の構築をめざす県を後押し。沢紀男県議は議会質問で、「鳥取を水素社会のトップランナーに」と主張し、同学習館の整備を推進してきた。

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