事業評価でムダ削減!

公明新聞:2017年3月31日(金)付

17年度は720億円
東京都

ムダを徹底して排除! 東京都は毎年の予算編成の際、一つ一つの事業を厳しく検証し、不要不急なものを削減・整理するなど、事業の効率性を高める「事業評価」を実施している。都議会公明党(東村くにひろ幹事長、都議選予定候補=八王子市)の推進で2006年度に導入され、これまでに生み出された財源は、きのう30日に成立した17年度予算分を含め、累計で6900億円にも上る。

累計6900億円の財源捻出

公明が推進 厳しく検証、効率高める

東京都は17年度、720億円の財源を捻出した。前年度の300億円から2.4倍に増えたのは、「全ての事業に終期(見直しの期限)を設けるなど、事業の検証を徹底した」(財務局主計部財政課)ためだ。

これまで終期が設定されていた事業は全体の2割程度に過ぎなかったが、今回、17年度予算に計上された約4800事業全てに終期を設けた。今後も継続される事業を含めて、「いつまでにどのような成果を出すのか」との目標が明確となり、事業の新陳代謝が一層進んだという。

720億円(17年度)の内訳例えば、事業評価による財源確保額が大きかった事業は、電球式だった信号灯器のLED化だ。当初、都内にある約1万5000カ所全ての工事完了は20年度を予定していたが、東日本大震災による電力危機を乗り越えるための一環として、16年度に29億1200万円を投入し、前倒しで目標を達成。17年度以降の事業費が不要となった上、LED化により、1カ所当たり年間で約7万円もの維持管理費の削減につながった。

複数の事業を一つにまとめ、事業費を圧縮できたケースもある。都は1998年度から、中小企業の製品開発を後押しするため、優れた技術・製品を表彰する「東京都ベンチャー技術大賞」を実施してきた。他方、中小企業の受注機会の拡大に向け、革新的で将来性のある製品・サービスを表彰する「世界発信コンペティション」を2016年度にスタート。そこで17年度は、両表彰を同日開催とし、広報を一体的に行うなど経費を抑え、事業費全体を1100万円に半減させた。

また、中小企業による外国人材の受け入れを支援する事業についても、海外展開先との“架け橋”となる「グローバル人材」、「留学生」それぞれを対象とした類似の事業を洗い出し、17年度から一本化した新規事業を立ち上げる。当初の見積額は2億3100万円に上ったが、8800万円まで大幅に予算額を抑えた。

そのほか、首都直下地震で約92万人に上るとされる帰宅困難者を受け入れる際の施設の安全点検のポイントを助言する「施設安全確認アドバイザー」を、一時滞在施設の円滑な開設・運営などを助言する「開設アドバイザー」に統合するなどし、財源を再整理。全国の自治体から税務職員を受け入れ、「税務の達人」へと育成する事業なども、必要性や利用実態を細かく見た上で、事業費を圧縮した。

ムダを削減する一方、効果的な事業を見極め、予算をより多く投入できるのも、事業評価の利点だ。都が購入し、全交番に設置していた自動体外式除細動器(AED)は、17年度からはリース(長期の賃貸借契約)に切り替える。そのため、17年度の事業費は前年度比で500万円増の3600万円かかるが、5年間で見ると3700万円を縮減できると試算している。

新公会計制度の導入により財政の「見える化」も前進


都の17年度予算では、一般会計約7兆円に、都営住宅の建設・管理に関する特別会計などを加えた全27会計に約13.1兆円を計上し、5.1兆円の税収を見込んでいる。

都の税収は、企業が納める税金の割合が高いのが特徴で、景気の動向に左右されやすい。例えば、09年度の税収は08年に起きたリーマン・ショックのあおりを受け、1兆円減った。

ちなみに都によると、都以外で1兆円以上の税収がある自治体は、大阪府(1.7兆円)、愛知県(1.5兆円)、神奈川県(1.3兆円)の3府県のみという。

都がこうした税収減に見舞われても行政サービスを安定して提供できるよう、また、老朽化が進むインフラの更新・整備などで加速度的にかさむ事業費にも対応できるよう、都政改革の一環として、06年度に導入したのが事業評価だ。

加えて、同年度には、公明党の強い主張により、民間企業の会計手法である複式簿記・発生主義に準じた「新公会計制度」も全国で初めて導入された。これにより、資産や負債の実態を正確に把握でき、財政の「見える化」が大きく進むこととなり、事業評価にも生かされている。

17年度予算は、事業評価により、メリハリが利いたものになった。都は、新たに生まれた財源も活用し、過去最高の382件の新規事業を立ち上げるとともに、電線を地中に埋めて電柱をなくす「無電柱化」を進める700億円の基金などを新設した。

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