安全確認主役は子ども

公明新聞:2017年3月24日(金)付

岩下さん親子と話すわじま、えもと、内藤の各市議、小林副支部長岩下さん親子(前列中央)と話す(左から)わじま、えもと、内藤の各市議、小林副支部長

歩行中の事故7歳児に多発
入学前に保護者へ啓発チラシ配布
公明質問から1週間で実現
長野・佐久市

歩行中の交通事故は7歳に多発――長野県佐久市は小学校入学の時期を前に、入学間近の園児と現在の小学1、2年生の各保護者に対し「緊急メッセージ」と題する啓発チラシを13日、配布した。公明党の内藤勝利市議が6日の市議会で家庭での交通安全教育を啓発するよう求めたのに対して、栁(やなぎ)田清二市長が提案の重要性を認めてすぐに対応。質問から1週間というスピードで実現した。

緊急メッセージ内藤市議が質問の際に取り上げたのは、本紙の記事「突出する7歳児の交通事故」(昨年10月19日付3面)。記事では、歩行中の交通事故死傷者数は7歳児が突出しているとする、交通事故総合分析センターのリポート(イタルダインフォメーションNo.116)を、“突出ぶり”がひと目で分かるグラフとともに紹介。交通心理学の専門家である大阪国際大学の山口直範准教授へのインタビューを掲載している。

この中で、山口氏は7歳児の事故が多い理由について「児童だけで行動する機会が増えたことが主な要因だろう」と分析。「大人が子どもを交通事故から守ろうとする気持ちが強すぎて、子ども自身の危険に対する感受性が養われづらい。ぜひ、子どもに危険を考えさせる機会を日常的に設けてほしい」と述べ、その具体的方法として、一緒に道路を渡るとき、子どもに安全確認を任せることを提言している。

内藤市議は質問の際、山口氏の提言を紹介。「保育園でも、幼い命を守るために家庭での日常的な交通安全教育が重要であることを啓発してほしい」と要望。市長は「小学校1年生が一番リスキー(危険)な年頃だということを伝えていきたい」と答え、早急に取り組む意向を示した。

チラシはA4判。表面には7歳児が危ないことを強調する「Risky7」という大見出しとともに、本紙でも紹介したグラフを掲載。自分で安全確認する力を育む必要性を訴えた。裏面では「安全確認の主役は子ども」と強調し、保護者がやるべきことを提案。飛び出しの危険性や信号交差点の渡り方について、通学路を子どもと歩きながら教えるよう呼び掛けている。チラシは市ホームページでダウンロードできる。

長男の慶政君が、今春小学校に入る岩下真美子さんは「うちの子は車を見ずに飛び出す。危ない思いを何度もした。チラシを見て、もっと注意させなければと思った。チラシ配布はありがたい」と喜んでいた。

チラシが配られた13日、内藤市議のほか、公明党の、わじま美和子、えもと信彦の両市議と、党佐久支部の小林としはる副支部長(いずれも市議選予定候補)が市長と懇談。小学校入学前後の子どもに対する安全教育の重要性を周知・啓発するよう求めた。

市長は7歳児の事故が多いことについて「多くの人に知ってほしい。全国的に取り組むべき課題だ」と話していた。

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